- ファイヤーエムブレム「覚醒」3DS
ターン制シュミレーションRPGゲーム。20数年前、ファミコンでデビューして以来、人気シリーズが続く。剣と魔法が支配する世界で主人公と仲間ユニットが成長しクラス・チェンジしながらキャンペーンを進めていく。
FE(ファイヤーエムブレム)の魅力は、敵を倒す毎に経験値を獲得し次第に上級の魔法や武器が使えるようになり、様々なスキル(2度攻撃、先制攻撃など)を獲得していくユニットの成長だ。だが苦労して育てたユニットも敵に倒されるとそこでサヨナラ。死んだユニットは復活できないという理不尽さが、育て上げたユニットへの思い入れを一層増すことになる。
さてドニの初期兵種は村人。絵では木製槍にヘルメット代わりの鍋という貧乏と貧相のダブルパンチ・キャラだ。
使い物にならないと思ったが母親のたっての願いなのでメンバーに入れてみた。試しに使ってみようじゃないかという優しいクロム王子やフレデリク副長らメイン・キャラの温情で外伝MAPで使ってみた。フレデリクらが敵のHPを5〜6に削り、「さあドニ、倒してみろ」と経験値稼ぎを譲った。「みんな優しいんだなあ。オイラ感激だ。ヨーシ!」と挑んだが、倒せない。敵のターンになると確実にドニはやられる。攻撃が残っていた仲間が慌てて駆けつけてその敵を倒した。不甲斐ないドニを前に皆がこりゃダメだと頭を垂れ首を振る。1回や2回の失敗は誰にでもある、もう少し長い目で見てやろうじゃないかと全員がため息まじりに納得した。田舎者だからしょうがないとは誰も言わない。
そこでこのままでは戦力にならないので、ドーピングをしようということになった。ステータスをその戦闘時だけブーストできるアイテムを、交戦開始前にドニにタップリもたせるのだ。力の薬、HPの薬、速さの薬など。その努力の甲斐あってやっと敵を倒し経験値が上がりレベルが上がった。するとほとんどのステータスがポコポコと上がった。次のレベルアップ時も同じくほとんどのステータスが上がった。仲間のキャラたちが一斉に驚きの声をあげた。皆、「ひょっとしたらコイツは大化けするかもしれない」と感じたからだ。
レベル10になったのですぐにチェンジプルフを渡し、村人→戦士にチェンジアップさせた。青銅の斧を渡しメイン・キャラと同じ活躍の場を与え、ドニもその付託に応えた。仲間もわりとやるじゃないか、と頼もしく思い始めた。だが戦士レベル20となる頃には他のメイン・キャラを遥かに上回るキャラに成長した。
守備力が高く、破壊的な斧の打撃、スルッと敵の攻撃をかわし、たまに魔法攻撃、槍、剣、弓矢が当たってもカスリ傷程度。ステータス上限があるのでマスタープルフを渡し、戦士→ウォーリアにチェッジアップ。銀の斧と青銅の弓を装備させる。ところが最弱の青銅の弓であっても簡単に敵のボス・キャラを一発で倒し始めた。
そして倒した後のセリフが口癖の「助かったあー」。
このイヤミなセリフには敵だけでなく味方でさえ鼻白む思いだ。「どこにも危なかったとこなんかねえじゃないか。皮肉言ってんじゃねえよ。この田舎者が」と(面と向かっては誰も言わない)。だがドニは天然、悪気はない。イヤミをいう性格でもない。単なる口癖なのだ。最強ダントツのエースのウォーリアになっても鍋のヘルメット姿で出陣するのだ。
一番割りをくったのが気取り屋でお調子者でナンパ好きのヴィオール。
苦労してスナイパーにまで成長し弓は俺に任せろと大口を叩いていたが、ドニの一撃必殺の弓の出現で出番がなくなった。
ゲーム終盤に近いが各兵種クラス代表とのステータス比較表は次のとおり。
●ドニは最強か?
ファイヤーエムブレムの歴史上で、古(いにしえ)に勇名を轟かした勇者オグマと狂戦士バーツを思い出す。
しかし剣技の達人オグマも魔法攻撃には弱かった。パラディンの槍も苦手だった。アーマーナイト並みの守備力と強力な戦斧を振り回す切り込み隊長バーツも技と幸運がイマイチだった。斧を振っても敵に当たらなければやがて返り討ちに。最凶最強のデビルアクスを持たせれば幸運が低いと自分の首に当ててしまうお粗末。
ではドニに匹敵、または凌駕するキャラはいるのか?
いる!たぶん次の2人は資格十分だ。
ダースベーダの生まれ変わりのような「漆黒の騎士」と「狂王・アシュナード」。
漆黒の騎士は軽く剣を振るだけで相手を倒す。多分軽い剣の振りにみえるが実際は音速を何倍も超える速さのため剣先から殺人的なソニックブームがでているのだろう。
狂王・アシュナードはとにかく倒すのに一苦労だった。