Havenキャンペーンからの続き。
- Inferno(地獄) キャンペーン 崇拝者(The Cultist)MAP
note八木メッシに引っ越し中。
このノイズには多くの情報が含まれている。
内部被ばくを測定するホールボディ・カウンターがある。これはγ線を測る機械のため、透過力の弱いβ線を放出するトリチウムやストロンチウム90は測定できない。
十分な防護をするには内部被ばくのリスク低減が必要だ。別記事でWHOキエフ総会で、フェルネックス博士(IAEAとWHOが結託してチェルノブイリ事故での放射能による健康被害を隠蔽したことを告発)が指摘しているように、汚染食物の摂取による広域の内部被ばくを抑止する方策がいる。
<OBT(有機結合型トリチウム)の増加と人体への取り込み>
宇宙で最も基本的な元素である水素は、魚や肉のたんぱく質やDNAを結合させる役割を担っている。「水素結合」という分子間結合である。トリチウムの海洋放出が増加すると、水素の仲間である「トリチウム結合」も増加する。
「海洋」
海水中では海洋生物の食物連鎖によるトリチウム濃縮が進む。魚肉にトリチウムを含む有機物「OBT(organically bound tritium)」が増加する。
「陸上」
海面から蒸発した水蒸気H2Oに混じって、トリチウム蒸気HTOも大気循環で陸上に雨となって降り注ぐ。地面に浸透したHTO水を植物が吸い上げ、光合成によりトリチウムを含むデンプンOBTを生成し、酸素O2を放出する。
食用の植物なら、食物として収穫され店頭で販売され消費者に渡り経口摂取される。中には牛や鶏などに飼料用植物として摂取され、牛肉や鶏肉のOBTに移行してから人間に経口摂取される。
では風評被害を防ぎ、α線やβ線を計測しにくい計数カウンターより、食物汚染を判別するための厳格な計測はどうすればいいか?
下の写真は2011年5月に福島県飯館村で採取したタンポポの葉。葉全体に放射性物質を均等に取り込んだために薄く葉の形が浮かび上がっている。X線写真のようだがまったく原理が違う。
<IP(イメージングプレート)による内部被ばく写真>
(NNNドキュメント‘20「放射能が見えた。可視化で分かること」2000.9.14)
IP(イメージングプレート)という額縁のような機器をタンポポの葉の上に置いて一定時間そのままにする。プレート全面に「輝尽性蛍光体」が張ってあるため、電磁波や放射線を受けるとそのエネルギーを記憶する。強い放射線ほど濃く、弱いと薄く記憶される。放射線が弱い場合は何カ月もかかる場合もある。これは2次元放射線分布測定器で、X線フィルムに比べ100倍から1000倍の超高感度の能力がある。分布画像を読み取った後、リフレッシングすれば何度でも使用できる。日本の富士写真フィルム(現在の富士フィルム)が40年前に開発したオートラジオグラフィーという技術である。
東大・農学部の森敏名誉教授は福島事故発生当時から現地の動植物を収集し、内部被ばくした生物の放射線像を取り続けている。
内部汚染しているかどうかを比較したものが下図である。2015年の比較像だが、スーパーで買った食用葉と浪江町で採取した葉を並べて、IPで撮影した画像。浪江町の葉はうっすらと放射線像が浮かび上がっているが、内部汚染されていないスーパーの葉は像が写っていない。
(NNNドキュメント‘20「放射能が見えた。可視化で分かること」2000.9.14)
元素分類表で1族から2、12〜18族の、47元素を典型元素というが、その1族のアルカリ金属に属する6元素がLi、Na、K(カリウム)、Rb、Cs(セシウム)、Fr。
動物の場合、筋肉にカリウムが多く含まれる。人体部位のカリウム分布は87%が筋肉組織にあるといわれている。また脂肪組織にはカリウムは含まれない。
原発での核分裂生成物として多く生成される放射性物質の1つ、Cs135、Cs137はカリウムと同族の1族に属する。そのため化学的・物理的性質が似ている。下図は2012年8月に採取されたヘビ(浪江町)とブラックバス(飯館村)のIP画像。ヘビは体細胞がほぼ筋肉で占められているため、放射線像が強く浮かび上がっている。
2021年4月17日の朝日新聞デジタルの記事。
東電が原発敷地内に水槽か生け簀を設置し、トリチウム水で満たした水槽で魚を飼うらしい。トリチウムの安全性を検証し、風評対策に役立てる狙いらしい。
元気に泳いでいる魚の姿を見せて安全だとPRするのだろうか?
それとも実はトリチウム汚染水ではない安全な水で飼育するのだろうか?
トリチウム水で飼育して魚介類に放射能の影響が出て危険であるという研究論文(1981年)があることを知っての東電の発表だろうか?
それとも知らずに「トリチウムは本当に安全」と信じ込んでいる東電上層部の思い付きアイデアだろうか?
「水生生物に対するトリチウム水の影響」須山一兵、江藤久美(放射線医学総合研究所)両氏による1981年の研究論文で、日本原子力学会誌に発表されたものである。
1979年のスリーマイル島事故の2年後、1986年のチェルノブイリ事故の5年前の研究である。
下図の写真は、当該論文の一部で紹介されているもので、トリチウム水と清浄水にクサフグの受精卵を入れて飼育孵化した実験結果である。
トリチウム水で孵化した稚魚群には、清浄水群に比べ次のような形態異常が見られた。
・魚体が小さい。
・腹部が膨出した個体。
・平均眼径が約1/2小さい。
下図の赤字①はニジマスによる同様の実験で、「・・眼や体の重篤な奇形を含む奇形魚の有意な増加が観察された」と紹介されている。
(「水生生物に対するトリチウム水の影響」須山一兵、江藤久美)
下図の写真も同様、トリチウム水と清浄水にメダカの受精卵を入れて、受精直後から胞胚期まで飼育後、精巣重量を比較したもの。
トリチウム水で孵化した受精卵の精巣重量は、清浄水群に比べ、42%、37%の顕著な減少が見られたとある。
(「水生生物に対するトリチウム水の影響」須山一兵、江藤久美)
この研究論文の著者両氏は、論文の「おわりに」で次のように結んでいる。
①環境中に放出されるトリチウムの増加、生体への容易な侵入、放射線影響など、懸念。
②FWT(自由水中のトリチウム)は体外排出も早く、そう心配することはない。しかしOBT(有機結合型トリチウム)はタンパク質やDNAに組み込まれているため、体内増加は緩やかだが、排出は非常に遅い。
③トリチウムは低い濃度でも生殖細胞や免疫などにも大きな影響を与える。魚類において、γ線が生殖細胞数を50%減少させる線量を1とすると(RBE:Relative.Biological.Effectiveness、生物学的効果比)、トリチウムの放出するβ線は約2.0〜2.4倍である。
④トリチウム廃液の安全な処理方法が確立されることを望む。
(「水生生物に対するトリチウム水の影響」須山一兵、江藤久美)
世界は原発推進・安全派が圧倒的多数で、反対派は少数である。なぜか?
原発産業・核兵器関連産業には莫大な資金が投入されてきて、今も投入され続けているからである。そこに研究・従事・関係する人も多数だからである。
WHOの専門委員だった医学博士のミシェル・フェルネックス医師は、チェルノブイリ事故による放射能が及ぼす健康被害について、IAEAとWHOが結託して事態の隠蔽を謀ったことを暴露した。博士はIPPNW(核戦争防止国際医師会議)の元会長職にも就いた医学的良心に基づいて活動した人物である。
下図をご参照。
◆IAEA(国際原子力機関)は国連の専門機関ではない。国連の事実上の最高意思決定機関である国連安保理(核大国5か国が常任理事国:米露中仏英)に従属する、原子力の平和利用の促進を目的する自治機関である。といえば聞こえが良いが、主目的は核の独占を謀る核大国が、原発由来のプルトニウムなどの核兵器の原料が拡散するのを監視する機関である。また原子力反対の世論を抑え込むための機関でもある。
◆UNSCEAR(原子放射線の影響に関する国連科学委員会)は国連の機関。1950年代の核実験によるフォールアウトで世界的な放射能汚染が問題となったため、核反対世論を科学的になだめるために設置された。UNSCEARが発表する放射線防護の報告書や基準等は、IAEAやICRP(国際放射線防護委員会)の基礎資料となっている。
(放射線の影響を軽視する原子力推進派の三位一体:IAEA、UNSCEAR、ICRP)
<UNSCEAR委員長 「福島原発事故で健康への影響考えられない」>
2011年5月23日、国連放射線影響科学委員会(UNSCEAR:事務局ウィーン)のワイス委員長は記者会見し、福島第1原発事故で放出された放射線について「これまでのところ(住民の)健康に影響するとは考えられない」と述べた。
<UNSCEAR 「内部被ばくは認めない。被ばく線量が問題である」>
1995年WHO中嶋宏事務局長(当時)が700人の専門家や医師をジュネーブに招集し、チェルノブイリ事故についての国際会議を開催した。しかしIAEAの妨害で議事録は公表されなかった。原子力産業への打撃を考慮したためである。
2001年2月12日ジュネーブのWHO本部の玄関前。次回(4か月後、6月4日のキエフで)のWHO総会で議事録を公開するよう良心に従う医師たちがWHO幹部に嘆願書を提出した。
しかしフェルネックス博士は心配する。
「UNSCEARやIAEAも総会に出席するだろう。彼らには莫大な資金があるので、貧しい国の専門家を買収するのは容易で、1万ドルでずいぶん買収できるのです」
(WHOの隠蔽を正す医師たち。YouTube「真実はどこに?-WHOとIAEA放射能汚染を巡って」:既に動画は削除)
2001年6月4日キエフ、WHO総会。案の定、議事録は公表されなかった。
①:IAEAのA・ゴンザレス代表の楽観的な報告に続いて発表に立った、ANSCEARのN・ゲントナー代表。
「既に述べられたように除染作業員の間でも白血病患者の増加は確認されていません。癌の増加についても科学的証明は一切ない。その他の非悪性疾患も事故による増加もない。ゴンザレス博士が述べたように、大多数の住民はチェルノブイリ事故による深刻な健康被害を心配する必要は一切ありません」
(上記のとおり、福島原発事故でもUNSCEARワイツ委員長も同様の発言をしている)
②:あまりにもデタラメなIAEAとUNSCEARの発表に「Shocking!Shocking!(ひどい!ひどすぎる!)」と憤るロシア科学アカデミーの環境政策センター会長で生態学者のアレクセイ・ヤブロコフ博士。
③:総会の休憩時間に廊下で議論するUNSCEARゲントナー代表とフェルネックス博士。
「この15年のセシウム汚染の大半は体内汚染なのでは?」と問い質すフェルネックス博士。
④:その問いに対しゲントナー代表は、
「体内ではありません!被曝が体内か体外か、そんな考えは認めません。メカニズムがどうであれ問題なのは被曝線量です」
(大荒れのWHOキエフ会議。YouTube「真実はどこに?-WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」:既に動画は削除)
ヤブロコフ博士は発表の冒頭、怒りを込めて吐き捨てるようにIAEAとUNSCEARの態度を批判した。
「事故の明白な影響を認めない人たちの結論だ」
そして次のような明白な悪影響があったと早口で叩きつけるように発表した。
「流産の増加、死亡率の上昇、新生児患者の増加、遺伝子への悪影響、先天性奇形児の増加、癌の増加、精神機能発達の遅れ、精神病患者の増加、免疫系の状態悪化、ホルモンの状態変化、心臓血管系の病気、病気回復の遅れ、老化の加速、子どもの成長の遅れや異常な衰弱状態、せめてこのリストは認めるべきです」と発表を締めくくった。
(怒るヤブロコフ博士。YouTube「真実はどこに?-WHOとIAEA 放射能汚染を巡って」:既に動画は削除)
今回の総会の議事録も隠されてしまうことを恐れて、良心に従う医師たちがYouTubeで公開したと思われる。
2021.4.14公開記事
まずTVが流す嘘情報に騙されないこと。
◆ 嘘1:以前から、トリチウムは分離できないと喧伝していた
トリチウムの分離技術はかなり前から確立されている技術である。しかし手間とコストがかかるので、採算面から原発産業界から敬遠されているだけである。
2019年10月3日、ひるおび。
当該番組で、汚染水をALPS(多核種除去設備)を通してセシウムやストロンチウムなどを取り除き、トリチウム以外を除去した処理水が貯蔵タンクに約116万トンあるという(2019.9.19時点)。茨城大学・鳥養裕二教授のコメントとして「トリチウムはセシウムセシウムなどの放射性物質とは違い、水の形態で存在するので取り除けない」という間違った情報を発した。
だから海洋放出しかないという布石の1つである。
近畿大・東洋アルミの共同研究やロシア国営原子力会社ロスアトムなど、トリチウムの分離除去技術は既にある。国が予算を投入すれば解決する。詳細後述。
◆嘘2:5つの案から2つの案→そして海洋放出の案に。だがトリチウム分離案はいつのまにか消えていた
NHKのネット記事サイト、政治マガジンに「トリチウムとは?なぜ「海か大気中に放出」なのか?」(2019.12.23)というタイトルで次のような説明が出ている。
政府は、トリチウム水タスクフォース・チームに当初から科学的、技術的観点から検討させてきた。そしてH28年、5つの案(1海洋放出、2大気放出、3電気分解後・水素大気放出、4深地層注入、5セメント固化地下埋設)に絞った。最終的には2つの案(1海洋放出、2大気放出)が現実的で実績があると提言したとある。
これが詭弁であることは明らかである。トリチウム汚染水対策に最大限の努力を払った結果だというゼスチャーにすぎない。
なぜならトリチウム分離処分案がいつのまにか消えているからである。
原発由来の放射性物質で地球を長期にわたって汚染し続けるのは、トリチウム、クリプトン85、炭素14、ヨウ素129である。これらは長寿命核種だから地球環境に長く蓄積され拡散する。
政府はトリチウム汚染水対処が重要問題であることを意識してトリチウム水タスクフォースを立ち上げていた。
そして、スリーマイル島(TMI:Three Mile Island)事故、ハンフォード・サイト(マンハッタン計画でプルトニウム精製)、サバンナリバー・サイト(核施設、水爆の原料トリチウム製造)でのトリチウム水(Tritiated Water)の処分方法について情報を米エネルギー省(US DEPARTMENT OF ENERGY)から収集していた。それが下記の抜粋資料4枚(ほんの一部)。
①米エネルギー省表紙。
Presented to the Tritiated Water Task Force of the Committee on Contaminated Water Countermeasures
「汚染水対策委員会のトリチウム水タスクフォースに提供した資料」
②スリーマイル島事故のトリチウム処分。
Where did the tritium go? It was reduced by: トリチウムはどこへ? 以下の理由で減少した。
・radioactive decay (12 year half life), 放射性崩壊(12年半減期)
・used for decontamination; loss via evaporation; removed by ventilation system
除染に使用。 蒸発による損失; 換気システムにより減少
・via the air ejectors空気除去装置による
③ハンフォードでの低トリチウム濃度、高容量トリチウム水の処分。
Overall conclusion was that tritium removal technologies are not economically viable for the large volumes of water with low concentrations.
結論として、低濃度の大量の水ではトリチウム除去技術は経済的に実行可能ではないという結論に至った。
Deep well injection selected 深井戸注入を選択
④サバンナーリバーサイトのTritium Separation Processes(トリチウム分離プロセス)の中の1資料で、
Wiped Film Evaporator(トリチウム フィルム蒸着除去装置)の図解資料。
タンク数はハンフォードでは177基(但しトリチウムだけではなく廃棄物溶液)、スリーマイル島では約8基(最終水230万ガロンから:1タンク/1200立方m換算)とされている。
福島のトリチウム水と米国の核関連サイトのそれとの決定的違いは、
福島では毎日約140トンもの地下水が、破損した原子炉建屋に流入し汚染水が常時発生しているという現実だ。破損した福島1,2,3号機の現状を見て、2051年に廃炉(処分・解体:30年後)が完了すると本気で考えている人がいるとしたら余程の素人だ。
35年前に起きたチェルノブイリ事故。福島のように水没していない1機だけの燃料デブリ(象の足)でさえ未だ手つかずだ。
恐らく福島の廃炉は100年以上かかるだろう。つまり海洋放出を始めたらトリチウム汚染水を100年以上垂れ流し続けることになる。
2021.3.18現在の福島のトリチウム汚染水の容量は約125万立法メートル。
トリチウムを分離し、スポンジチタンなどの金属に凝縮吸収させ(燃料電池の原理)、固化して保管すれば、3立法メートルのコンテナ約60個を保管するだけでよい。(ロスアトム技術の場合)
トリチウムはベータ線放射だから紙1枚で遮断できる。固体化して地球環境に出さず120年間保管すれば安全になる。
経産省は一時期トリチウム分離処分の可能性を検討し、技術開発を世界に向けて公募していた。(詳細後述)
その痕跡がすっぽりと消されてしまっている。
◆嘘3:「世界の各原発でもトリチウムを海洋放出している。だから安全」という詭弁
上記の「嘘1」でも説明したように、世界の各原発からトリチウムが放出されているのは、トリチウム分離コストが高過ぎて採算に合わないからであって、安全だから放出しているのではない。
危険なトリチウムの後始末を採算が合わないからという理由でやらないのであれば、原発は動かすべきではない。放射能汚染の拡散を未来に先送りして、潤沢なエネルギーを今の世代だけで享受するのは無責任である。
1954年以前は、自然トリチウムの発生源は宇宙線による地球上層大気の窒素や酸素との核反応によるものだけであったが、1954年以降は大気圏内核実験が頻繁に行われ、人工生成トリチウム分が加わった。1963年に大気圏内核実験が中止されるまで、約400回近い核爆発が繰り返され、トリチウムだけでなくセシウム137、ストロンチウム90などのフォールアウトによる降雨、大気、食物、川・海水の汚染が世界的な問題になった。
核への反発が世界規模で沸き起こり、心配した核大国のアメリカなどが核の平和利用を唱え始めた。
原発が各国で建設され、原発由来のトリチウム放出が増加し、地球環境で汚染が拡大し続けている。
古い論文(1978年、日本地下水学会 川崎宏直氏)だが、宇宙線由来のトリチウム濃度は10TR(1TR=1/10**18:トリチウム/水素比)とされているが、この論文の発表時では
「降雨中のトリチウム濃度は数10〜1000TRまで不規則に増大」とある。中央値を取ったしても500TR、つまり単純な推測だが、43年前で既に人工生成のトリチウム濃度が24年間(=1978年-1954年)で50倍(=500TR/10TR)に増加したことになる。
◆嘘4:「自然界には既にトリチウムは存在している」という安全を想起させるTV報道。だが政府の専門家チ-ム間ではトリチウムの内部被ばくと体内濃縮への危険性を熟知しているのである。
TV(上記のひるおび)では、トリチウムは雨にも、飲料水にも、魚介類にも含まれている、普通に環境に存在しているので、そう恐れるものではないというムードをそれとなく伝えようとしている。また飲料水ガイドラインでは、1万ベクレル/リットルなので、これを守れば大丈夫。空気中でも紙一枚で遮ることが可能なほど弱い→皮膚の表面で止まるなど、トリチウムは安全な放射性物質、怖くないものという刷り込みをしようとしている。
ところが下図の黄色①にはとんでもないことが書かれている。TV報道とは真逆のことが!
上記の「嘘2」でも紹介した経産省トリチウム水タスクフォース山西敏彦氏(日本原研)が作成した資料(p337)で、p23から始まる(公財)環境科学技術研究所 柿内秀樹氏の「参考資料3」のp16(参考資料3の最終頁。全資料p337ではp38)の内容である。
「ヒトへの被ばく経路(トリチウムは内部被ばくが重要)」と内部被ばくの危険性を警告している。
怖いのはその後。経口摂取では「食物連鎖によるヒトへの移行」、「摂取したOBT(有機結合型トリチウム、トリチウムを含む食物のこと)による被ばく、組織への蓄積」つまり、食物連鎖の頂点にいる「ヒトへのトリチウム濃縮」を説明している。トリチウムの危険性を分かっているのだ。
トリチウムは水素の仲間、しかも自然界の元素で最も軽い。そのため同温なら他の気体分子より分子速度がかなり速い。熱伝導率が空気の約7倍である。海洋に放出されたトリチウムは蒸発し気体となり、放射性プルームとなって、温度変化や風により、大気拡散が促進される。
そのことを説明しているのが下図である。これも上記の経産省タスクフォース資料のP9に説明されている。つまり①にもあるように、呼吸からもトリチウムは入ってくる。飲食のように時間をおいて体に入るのではなく、呼吸による頻繁な体内接種のリスクが高い。
上記のTVひるおびの「皮膚の表面で止まる」という説明は、大きな誤解を生む表現である。
大気中に浮遊するトリチウムが崩壊するとベータ線を放出する。そのベータ線は弱いので皮膚で遮断できるという意味で挙げているのだろうが、実はトリチウムは皮膚からも吸収される。崩壊せずヘリウム3になっていないトリチウムは皮膚からも体内に侵入する。
水素は自然界で最も基本的な元素。人体の50〜75%は水分。水は一般的にH2Oだが、トリチウムが環境中に増加すると、水分子の水素がトリチウムに置き換わったHTOが増えていく。またタンパク質内のアミノ酸も水素結合が関わっているので、人体のトリチウム結合も増加する。トリチウムがベータ線を放射して崩壊すると内部被ばくとなる。トリチウムが体外にある場合は、ベータ線は透過力が弱いので問題はない。だが体内での放射は危険である。
◆嘘5:海洋放出は最初から決まっていた。IAEAも同意していた。
軍事力増強のための頻繁な核実験によるフォールアウト汚染で、世界世論が反発、原子力の平和利用による利益に人々の目を転換させるため、1953年の国連演説で、核大国アイゼンハワー米大統領がIAEA(国際原子力機関)創設を提唱した。つまり汚染対策のためにIAEAが設立されたのではない。
よって原子力利用の推進を目的とするIAEAが海洋放出に反対することはない。
今回の日本のトリチウム海洋放出表明に異論を唱えれば、世界の各原発でのこれまでの海洋放出容認と整合性が取れなくなる。
海洋放出は既定路線であり、上記の「嘘2」にある、5つの案→2つの案→海洋放出案という検討経過を辿ったように見せているのは、ただのゼシュチャー、セレモニー、世論への誤魔化しである。
それが証拠に、
2013年9月。2020オリンピック開催地決定(9月5日)が迫る中、東電による汚染水ダダ洩れ状態に世界の批判が集まり、東電監視役の当時の原子力規制委の田中委員長にも怠慢という視線が向けられた。9月2日、翌日の汚染水抜本的対策の発表を控えて、原子力規制委(環境省外局)の田中委員長は、外国特派員協会で記者会見を行い謝罪した。全て東電の責任で、汚染水問題を放置して政府が東電への資金投入を渋ったためであることは認めなかった。
そして「最終的には海洋放出以外に方法はない」との考えを示した。
(AFP BBニュース 2013.9.2 注:AFPは仏の最大の通信社で世界最古の報道機関Wiki)
また2013年12月4日。福島第1を視察したIAEA調査団。ファン・カルロス・レンティッホ団長は、
「一定の管理下での放水は世界中で行われている。・・・基準を下回るなら、海に放出すべきだ」と海洋放出を推奨した。
(朝日新聞DIGITAL2013.12.5)
◆嘘6:タンク増設は限界という嘘。隣接する敷地(環境省管轄)にはタンク1万1000基が設置できる。
「2022年夏にはタンクが満杯」
「もう時間がない」「決断のタイムリミット」海洋放出へ誘導する政府プロパガンダ情報。
だが東電タンク群のすぐ隣には、環境省が管轄する1600ヘクタールもの広大な中間貯蔵施設エリアが広がっている。
東電には莫大な税金が廃炉・除染・賠償等のために投入されている。口も金も海洋放出も政府主導で動いているのに、タンク増設についてだけは、東電の敷地内で解決せよと言うおかしな論理。
これも上記の「2022年夏にはタンクが満杯」という既定シナリオのための嘘である。
タンクを増設し、トリチウムの分離・凝縮・固化・保管などの設備・施設を設置すれば、福島の人も、日本国民も、世界の人も納得することになる。
TVは、政府の安全解決のための資金出し惜しみを批判せず、むしろ海洋放出が正論という政府プロパガンダを後押しする。破滅へ向かう大本営発表の復活である。
トリチウムの拡散は未来の人類の健康と生命を脅かすことになることは明白である。
(NHK「中間貯蔵施設に消えるふるさと。福島原発の街で何が(2019.9.19)」 ひるおび2019.10.3)
広大な3次元宇宙空間で展開される艦隊戦闘RTS(リアルタイムストラテジー)ゲームの名作。英語版。
タニスで発見された構造物遺跡で、密かにマザーシップ「ヒーガランの誇り」が建造されている。ヒーガラン人を率いるのは、若き女性リーダー、カラン・スジェット。
タニスでマザーシップを建造していることを嗅ぎつけた宿敵ヴァイグルが迫る。
動画1-1. ゲーム起動とイントロ
01:タニス
02:エンジェルムーン(以下、工事中)
03:サラム
・・・
チュートリアルを兼ねたミッション。ガイドに従い操作。操作習得が主眼。
達成目標
・資源収納船で資源700を収納。
・戦闘機施設を建設。
・1迎撃部隊を建造。
・迎撃部隊による目標ドローンの破壊。
・来襲するヴァイグル船体をカイメラ基地で撃破。
・マザーシップの死守。
・敵機およびジャンプゲートの破壊。
第2次目標
・1爆撃部隊の建造。
動画1-2 ヴァイグル来襲、マザーシップ危機
(以下、工事中)
●操作ガイド
<画面上のボタン説明>
・GAME.MENU:セーブ、ロード、終了等(画面左上ボタン)
・OBJECTIVES:達成目標(画面左上ボタン)
・①BUILD.RESEARCH.LUNCH:艦船製造、研究等(画面右上ボタン)
・②(攻撃等コマンド):攻撃、移動、発進等(画面右下ボタン表)
<①BUILD.RESEARCH.LUNCH:艦船製造、研究等(画面右上ボタン)>
戦闘機、フリーゲート、主力艦等を建造する。新型兵器を研究開発する。
<②(攻撃等コマンド):攻撃、移動、発進等(画面右下ボタン表)>
艦船等ユニットに、攻撃、移動、着艦等の命令をする。
(日本語字幕解説付き)
動画3-0 ゲーム起動とクリア目標
勝利が近い!時は843年、デーモン卿たちが大軍でアシャンを侵略した日食の日に更に強まった。ファルコンリーチの帝都が包囲され、憎むべきファルコン王朝の滅亡が迫っている。デーモン王は古代の予言の成就を期したこの軍事作戦に全力を注いでいる―ファルコン王朝を継ぐ者がいる限り、人間界が存続することになるという予言。まあそれは玉にキズだ。しかしながら、別の伝説ではファルコンリーチを保持している限りファルコンの子孫たちは敗北しないと言う。そのことを念頭に置いて、デーモン王は彼の忠実な将軍イザベトをファルコンの終末を見とどけるために派遣した。
<動画3-0:英語訳>
・囚人どもは死ぬ前に秘密を白状しました、ご主人様。ファルコンリーチが立ち塞がる限り王朝は続くと言っていました。
・よくやった、ユーグラル。それは我々が探知した魔法のことを意味しているのだ。だから最初に町を破壊しその後で住民を殺すのだ。ファルコンの血を通りに流さなければならない。
・ユールガシュの名において!
<クリア目標>
・ファルコンリーチを陥落させる。
あなたはデーモン軍を指揮して地下世界から開始する。敵ファルコン軍(PCが指揮)も地上世界で同時に開始する。あなたの拠点は地獄界の町Ur-Korsh(ウル-コーシュ)。この町に必要な施設を一つづつ建造して城塞に変え戦力を増強していく。
動画3-1 地獄界の城塞施設の建造
地下(もちろん地上にも)には多くの確保・占領すべき資源、宝、徴用可能兵舎が存在している。これらを確保・占領するにはガーディアン・クリーチャを倒さなければならない。地下世界を全て征服してから地上世界へ侵入する方法もある。
しかし時間が経つにつれ、地上世界の敵ファルコン軍があなたを凌駕する戦力を有しているかもしれない。
このMAPではタバーン(酒場)が建造できない。したがってあなた以外のヒーローを雇うことができない。
地上世界には「丘の砦(Hill.Fort)」という施設があり配下のクリーチャをグレードアップできる。
地下と地上の出入口のほかに、双方向モノリス(Monolith.Two.Way)という転送ゲートも存在するのでうまく利用しよう。
重要な点は、地下の占領と地上の各資源、宝を独占して敵の戦費を低減させていく点だ。
<要警戒の主な敵ユニットと対策について>:講師 イザベト将軍(美人だがちょっとコワそう)
・アーク・エンジェル
ファルコン軍で最強の攻撃力と防御力を誇る飛行ユニット。時に倒したはずの敵ユニットを「復活(Resurrect.Allies:味方復活)」能力で蘇らせるやっかいな存在。魔法「ウィークネス」で攻撃力を削ぎ、魔法「脆弱性(Vulnerability)」で防御力を下げておいて攻撃する対策が必要。
・パラディン
アーク・エンジェルに次ぐ攻撃力と防御力を誇る。「回復(Lay.Hands:かざす手)」能力で自軍ユニットの傷や状態異常を治癒したりする。また幸運とモラルが高いので魔法を跳ね返すときもある。打倒対策はアーク・エンジェルと同じ。
・インクイジター(審問官)
直接攻撃力、防御力ともに高い。魔法「耐久(Endurance:自軍ユニットの防御力アップ)」、「神の力(Divine.Strength:自軍ユニットの攻撃力アップ)」、「ヘイスト(攻撃順位繰り上げ)」を自在に発動して、放置していると敵戦力がいつのまにか強化されてしまう。また遠距離からの「隕石落とし」攻撃ができるので要警戒。弱点は攻撃順位が遅いので攻撃する側としては早めに攻撃集中ができる点。
動画3-2 魔法習得と初回戦闘
動画3-3 激闘の末、勝利のはずが
2019.10.8公開記事
●最初から海洋放出に決まっていた。
まず、東電の、海洋放出に世論誘導するための嘘or誘導説明を整理してみよう。
2019年10月5日、外国人記者が福島第1を視察した時に、東電側が記者に説明した内容をもとにしている。(朝鮮日報の李河遠(イ・ハウォン)特派員の記事 既に削除)
<嘘or誘導説明>
①汚染水タンクは2022年には「満タン」になる。現時点で新しいタンク建造計画はない。
②汚染水の処理方法は現在未定。政府の最終決定待ち。
③処理方法6案(海洋放出、水蒸気放出など)のうち、海洋放出を前提に検討中。
④トリチウムは除去できない。
⑤複数の実験結果から、トリチウムは人体に大きな被害を与えない。東電廃炉カンパニーの大山勝義リスクコミュニケーター「トリチウムは人体に大きな害がない。人体に入ると大部分が放出される」と強調。
上記①、②、③をみれば、「海洋放出」は政府と東電の間では決定事項であることが歴然である。
汚染水対処の所管は経産省だが、環境省の外局である原子力規制委員会を所管するのは環境大臣である。したがって海洋放出のお墨付きを与えるのは、環境大臣である進次郎だ。その進次郎の口から「海洋放出が妥当」と発表させることは予定路線である。あとはその発表を「いつ」にするかだけが決まっていないだけである。理由もハッキリしている。「一番安い(試算額約34億円。他の案の約1/10〜1/100)」からで、無責任な日本の与党の政治屋や官僚は人体への悪影響、地球汚染などは、検討要素には入っていない。
海洋放出以外の5案は最初からアテ馬で、④と⑤は嘘である。
簡単な証明をご紹介しよう。
2016年6月3日付けで、経産省HPに「⑥トリチウム水タスクフォース報告書」と「⑦参考資料集」がアップされているが、わざわざ「本評価は、関係者間の意見調整や選択肢の一本化を行うものではありません」と断りをいれているが、2つの資料を比較すると、まさに「海洋放出一本化」を狙うものである。
資料⑦には、冒頭の参考1の記事の中でも紹介したが、東電等のメンバーが2012年3月13日に、除染・廃炉に関する情報収集のため、米SRNL(サバンナリバー国立研究所)等を訪問した際の資料と思われる英語資料が添付されている。だが資料⑥にはない。なぜか?
ゴルフのマスターズ・トーナメントが開催されるオーガスタ近くにある核施設、サバンナリバー・サイト。ここは米核兵器開発の中心地の1つで、1950年代から5基のプルトニウム生産用原子炉と2つの再処理工場が造られた。2010年代の核軍縮による影響で、4000人近くのリストラが行われ、衰退したが、水爆用のトリチウム製造は続けられている。トリチウムは12.4年の半減期のため、12年経つと水爆の機能を失う。そのため、トリチウムを入れ替える作業が継続して必要になる。
つまりサバンナリバー・サイトは、トリチウムの製造・分離・抽出する技術の宝庫なのだ。
「⑦参考資料集」P129の英語資料には、「トリチウム分離プロセス」、「SRNLは詳細(トリチウム分離抽出)には最良の情報源である」とアピールしている。その後に続く英語資料(P129〜P135)には、トリチウム水(HTO)の分離抽出機器と処理プロセスの紹介が記述されている。
つまりサバンナリバー・サイトの資料は、東電の上記④が嘘であることがバレので、報告書⑥に載せなかったのである。更に都合の悪いことに、サバンナリバー・サイトからはサバンナ川に大量のトリチウム排水が行われていて、下流に深刻な汚染が広がっている。だが報告書を書いた官僚は、次のように言い訳するだろう、「隠蔽の意図はない。その証拠に⑦参考資料集も掲載している」とアリバイを主張するだろうが。
不都合な情報は平気で隠蔽し、国の望む方向へ国民を誘導する。公平・中立な官僚機構は絶滅した。
(トリチウムは危険だが分離除去できる。 ⑦参考資料集、及びYouTube「米国の核施設 ハンフォード他」)
経産省の「中間貯蔵施設情報サイト」HPを見て頂きたい。
環境省の管轄下で、成田空港の1.3倍、約1600haの土地が中間貯蔵施設として整備が進められている。福島県内の除作業ででた土壌・廃棄物等をここに集中して、最終処分が決まる30年間保管するエリアである。整備工事事業社は「JESCO」、国が100%出資の特殊法人である。
エリア内の地権者約2360人中、約73%の1700人が、国と土地の提供契約をしている(2019.8現在)。国が買い取った土地もあれば、30年後にまた戻って来たいという地権者と借地権契約した土地もある。
エリア全面積1600haのうち、少なくとも約330haは公有地として使用できる予定である。
東電試算によれば、現在の貯蔵タンクの敷地面積は約24ha。3年後の2022年末までには、29haになるという。
またタンク以外に必要な敷地がいるという。燃料デブリの一時保管施設や、ある程度冷却ができた使用済み燃料を乾式キャスクに格納して空気冷却する一時保管施設、計8.1haも必要だという。
つまり8.1ha+29ha(今あるタンク敷地をもう1つ)=約37haを用意すればいいだけである。
国は海洋放出を既定路線で動いているので、経産省も環境省も原子力規制委も屁理屈をつけて、中間貯蔵施設エリアはタンク増設には使えないと言い出すだろう。
「汚染土置き場として地権者と契約したから、今更汚染水置き場として契約の枠組みを更新し直すのは大変だ」とか、シノゴノ言い出すに違いない。進次郎よ、君が環境大臣だ。「貯蔵継続」にするか、「海洋放出」にするか、君が決められる。本物の政治家か、「中身無し」の見掛け倒しかの分かれ道になる。
国民の多くが海洋放出に反対だ。国の莫大な税金を投入している事業である。腐敗した公僕の浅はかで勝手な決断で、国民の健康と命を損ねる海洋放出は許さない。国民の声を聴け!
(敷地は有り余るほど。環境省HP、及び犬HK「中間貯蔵施設に消えるふるさと.福島.原発の街で何が」(2019.9.19))
タンク増設スペース約37haあれば、凍土壁で当初より汚染地下水流は減っているので、時間的余裕が十分できる。その間に、完全止水対策とトリチウム分離・除去施設を稼働させる必要がある。
凍土壁は345億円。F35(約120億円)3機分である。凍土壁のようなものでなくても遮水壁を2重、3重にするなら、F35を6機(720億円)ほどトランプに「もうイラン!」と投げ返せばこと足りる。地下水増加の要因である雨水対策にも、もう2機(240億円)ほど投げ返す必要がある。
トリチウム分離除去施設の建設費は、ロシアのロスアトム製では、790億円。ほかの技術施設も足すなら、1000億円あれば足りるだろう。F35約9機分である。
合計F35を17機削減すれば、日本と世界をトリチウム汚染から救うことができる。
(バカの安倍が日本の防空に弱点となる穴を開けてしまった。 ヒストリCH「Defending Japan 狙われた領空」)
大体、日本がF35を105機もバク買いしたことで、「アホとちゃうか!」と米空軍から笑われていることをご存じだろうか?日本が退役させるF15を、米空軍は80機も調達するのだ。
安倍のバカがトランプにねじ込まれて、「ハイ、ハイ何でも買います」と愚策を繰り返しているからだ。
もちろん、直截に「アホ」とは言っていない。ヒストリCH「Defending Japan 狙われた領空」で、米空軍関係者は婉曲にこう言っている。
「日本はF35を防空に用いる気に思える。だが高性能と噂される中露の戦闘機に対抗することは、本当に可能なのだろうか?」
また、こうも言っている。
「F35は制空戦闘機ではないということだ。・・F15と比べてもその制空能力は低い」
「F15の性能は、F35をしのぐ。F35はステルス性は有するものの、最高速度はわずかマッハ1.6、F15はマッハ2.5。航続距離はF35は2200km、F15は5000km。そしてF35の空中戦での機動性はF15にもF22(ラプター)にも劣る」
「F15は古い機体だが、常にアップデートされてきた。今日でもF22に次ぐ米空軍の主要制空戦闘機であり続けている。またF15は輝かしい戦績を誇っている。空戦実績は通算104対0。この数字は前代未聞」
注:F22ラプターは、米空軍のF15制空戦闘機の後継機。ステルス性を有し、爆撃機としても使えるマルチロール機だが、制空戦闘に重点を置いている。F22はマッハ2.25、航続距離3000kmなどF15より性能面で劣る部分はあるが、米空軍はF22のステルス性とF15のそれぞれの特性を生かした運用を目指している。F22は米議会が米国以外への輸出を禁止している。F35はF22の補完機で、対地攻撃を主目的するマルチロール機で、制空戦闘機ではない。
いつまでもバカな最高責任者を国のトップにしていると、汚染水対策でもとんでもない事をやらかすだろう。
2019.9.28公開記事
● 関係のない「所管外」の維新の橋本、松井、吉村らが、なぜ「海洋放出」を進次郎に強要するのか?
なぜ関係のない松井や橋本など維新の連中が必死に口を出すのか?進次郎に対して「海洋放出」に逃げずに向き合えというのは、それこそ「所管外」の余計なお世話だろう。いったい何が起きているのか?こういう企みの裏には必ず安倍がいる。
「お・も・て・な・し」と「な・か・み・な・し」の結婚で注目を集めて、環境大臣の椅子をゲットした進次郎。前大臣の「海洋放出」の引継ぎ事項発言に「所管外」と逃げを打ち、猛反発の声を上げて前大臣発言に抗議した福島の漁業関係者にいい顔をしようと、9月11日にセクシーだが中身のない発言で火消しに追われた。確かに汚染水対策は経産省管轄だが、しかし原子力規制委員会は環境省の管轄(外局)である。
すると9月13日関係のない吉村大阪府知事が「前大臣の発言を失言で片づけるな」とツイート。更に9月14日、関係のない橋本までがツイッターで「海洋放出に向き合え、進次郎逃げるな。吉村の方が優勢」と尻叩き。9月15日再度吉村が「小泉大臣が腹をくくれば地方の政治家もついてくる」とツイート。
新大臣の進次郎に対して、日本の維新の知事や元代表が関係のない問題に首を突っ込んで「海洋放出」を促す、不自然な「汚染水の海洋放出」騒動。安倍への反撃に燃える韓国は、安倍の弱点を常にウォッチしている。
9月16日、IAEAの総会で、韓国が日本の汚染水対策の不透明さを突いて、IAEAの査察を受け入れるよう要求した。それに対して日本の在ウィーン国際機関代表部の引原大使は、「処理水は日本政府の小委員会で精査中(海洋放出は未決)」と批判をかわした。
だが翌9月17日、ツイッターでは、IAEAの騒動を進次郎は気付いていないと判断した松井がTVの記者会見で進次郎に橋本や吉村と同じ内容のメッセージを送った。
<騒動の経緯>
・9.10:原田・前環境大臣が退任時の記者会見で「汚染水は海洋に放出して希釈する他に選択肢はない」。この発言に地元漁業関係者らが猛反発。
・9.11:小泉環境大臣就任時、前任者の発言について問われ「所管外」として逃げを打つ。
・9.13:関係のない吉村大阪府知事が、「前大臣の発言を失言で片づけるな」とツイート。
・9.14:関係のない橋本徹が、「海洋放出に向き合え、進次郎逃げるな。吉村の方が優勢」とツイート。
・9.15:吉村大阪府知事が、「小泉大臣が腹をくくれば地方の政治家もついてくる」と更にツイート。
・9.16:IAEA総会で、韓国が日本の不透明な汚染水対策を非難。IAEAの査察を受けるよう要求。
・9.17:松井・大阪市長「処理済汚染水は海洋放出すべき、大阪湾での放出も可能」と言及。
だが問題は、安倍や橋本ら維新が(おそらく忖度TVメディアも参加して)、「海洋放出しかない」、「トリチウムは安全」と国民に洗脳を企んでいることである。
(海洋放出は日本だけで決める問題ではないことを分かっていない安倍と維新。 サンデーモーニング 2019.9.22)
2019年9月22日のサンデーモーニング、寺島実郎コメンテーターがこの問題の重大性について、的を得た発言をしている。
寺島氏「日本人からみると韓国が嫌味を言ってきていると捉えがちだが、日本には責任がある。2020年のオリンピックを含めて、汚染水はキチっと制御していると(安倍はそう世界に約束してオリンピックを招致した)。そのためには韓国との問題ではなくて、国際的に納得のいく仕組みを作って透明性高く説明する責任がある。そうであるならば、IAEAで韓国がそう言っているなら、IAEAで共同の検証のタスクフォースを作って韓国をも巻き込んで、こういう形で努力して制御しているが、じゃどうしていきましょうか?という広い視野度量を示さないと、いま国際社会の中で、日本に対する眼差しは非常に厳しい」
この寺島氏の言葉を理解するためには、6年前の2013年9月頃に戻る必要がある。
2012年12末、アベと棄民党が悪夢の政権帰り咲きをした。そのころ福島第一の状況は、汚染水はダダ漏れ状態。粗雑なタンクからも高濃度汚染水が漏れ出し、地下水や海へ流入流出していた。国内だけでなく海外の専門家も警告と非難を続けていた。東電は国の本格的なバックアップがない中で、混乱の放射能現場でドタバタしていた。
悪夢の政権誕生から5日後に2013年が開けた。
アベは忙しかった。コーノイケなどを通じてカゴイケに「アベシンゾウ記念小学院」建設準備をさせ、お友達に税金をバラまくための私物化システム、日本経済再生本部や国家戦略特区の設置をタケナカなどに準備させていた。カケのためには今治に獣医学部新設のための布石、教育再生実行会議を立ち上げ、「愛媛の妖怪」カトをメンバーに潜り込ませた。5月5日には、アベの別荘に加計やカバ男・ハギューダらを呼んでバーベキューを食べながら悪だくみ。3日後の5月8日にカトが第7回教育再生実行会議で突然獣医学部新設について語りだすという手際の良さ。
アベの眼中には、福島第一の深刻な汚染水漏れのことなど微塵もなかった。
だがアベマリオは、プロモーションビデオを撮る段階になって気付き始めた。タケダとデンツーから、7月にラミーヌ・ディアックIAAF元会長の息子に、シンガポールの実体のないペーパーカンパニーを通じて大金を振り込んだので、東京汚リンピック招致はほぼ確実だと連絡を受けて安心していたが、9月7日のブエノスアイレスIOC委員会総会でのプレゼンテーションが近いことを思い出した。東京汚リンピックを確実に勝ち取るには、福島第一の汚染水対策に取り組んでいるというフェイク・パフォーマンスも必要だと思い立った。そこで同7月に、原子力規制委のタナカ委員長(日本原子力ムラの村長)やトーデンを呼んで、汚染水の海への流出を認めさせて、抜本的汚染水対策を9月3日に公表するので、それまでに対策案を持ってくるよう言い渡した。IOC総会のためとはいえ、そんな短期間で抜本的な対策案などできる訳がない。あればとうの昔に手を打っていた。
(怠慢な東電監視姿勢に対し、外国特派員協会でつるし上げを食う田中原子力規制委員会委員長。自業自得。報道ステーション 2013.9.2)
2013年9月2日、翌日の汚染水抜本的対策の発表を控えて、原子力規制委の田中委員長は外国特派員協会で記者会見を行った。
田中「国際社会に大変なご迷惑をかけたことを十分に反省しています(<申し訳ありませんでした。謝罪します>がない)。皆様の力をお借りして世界に正確な情報を、適時適切に発信していくよう努力したいと思います」殊勝な態度をみせた。
だが外国人特派員の質問は厳しかった。
特派員A「(タンク漏れが続いていることで)タンクの監視人数が少ないと聞いています。原子力規制委の失態だと認めますか?」
田中「確かに国際社会、外の方から見れば<私どもの監督が十分でなかった>という責任はあるかと思いますが、ここで言い訳をするつもりはありません。(なぜ認めると言わない。単に<外のそういう見方はある>と認めただけ)」
英<エコノミスト>特派員「(汚染水貯蔵)タンクに水位計がないのは理解できない。資金不足なのか?原発再稼働ばかり考えていたからか?」
田中「お金がなかったというよりは、急場しのぎの対応をしてきていますので、様々な抜けがあったと考えています」
田中は環境省外局である原子力規制委員会の委員長。国の官僚である。国がケチッて東電に金をかけたくなかった、とは口が裂けても言えるはずがない。全て東電の責任であることに終始。そして「最終的には海洋放出以外に方法はない」との考えを示した。(AFP BBニュース 2013.9.2 注:AFPは仏の最大の通信社で世界最古の報道機関Wiki)
海外特派員からは批判的意見が相次いだ。不信感が払しょくできないからだ。
経済アナリストのピーター・フックス氏は、
「オレゴンとかカリフォルニアの海岸沿い市民は、非常に不安に考えている。それに十分に日本側が答えていないような気がする」
南ドイツ新聞のクリストフ特派員は、
「東電を国有化して(日本)政府が対応すべきですが、政府だって信用できません。今の政権は福島には関心がなく、他の原子炉を動かすことに興味を持っている。それは間違っている」
(深刻な汚染水漏れが続いても、安倍は汚リンピック招致ファースト。報道ステーション 2013.9.2)
記者会見の当日も福1では汚染水漏れが続いていた。タンクからではなくタンクとタンクを繋ぐ配管から、90秒に1滴の漏れが見つかり、毎時220mSvという高放射線が出ていた。また記者会見終了後のPM9時19分、別のタンクから毎時100mSv以上の汚染水漏れを発見したと東電が発表。
国会は閉会中であった。衆議院では9月初めに衆院経済産業委員会で汚染水漏れを審査する「閉会中審査」する予定だった。しかし5日後に開催されるブエノスアイレスでのIOC委員会総会で、2010年のオリンピック開催地が決定されるので、オリンピックと汚染水が結びつけられるとマズイという理由だけで自民党が審査延期を決めた。
当時はまだ安倍独裁が進んでいなかったので、報道ステーションも「黒は黒、白は白」と報道の中立公平がかなり守られていた。古館MCも恵村論説委員も、「国会はいつまで休んでいるのだ。内外ともに問題山積している。閉会中審査を延期している場合ではない」と批判した。
9月(2013年)になって、ようやく国が前面に立ち、470億円の国費を投入して対策を講じることを発表。
9月7日には、安倍はブエノスアイレスでのIOC委員会総会で、「状況はコントロールされており、全く問題はない。汚染水の影響は原発の港湾内の範囲で完全にブロックされている」と大嘘を世界に向けて高らかに宣言した。
当時の福一の現状は、山側から約1000t/日の地下水が海側に押し寄せていた。そのうち約400tが損壊した原発建屋に流入、放射性物質に接触し高濃度汚染水となっていた。約400t/日を汲み上げ山側に設置されたタンクに貯留していたが、タンク漏れが次々と発生。また建屋周辺と海側にトレンチという地下トンネルが伸びていた。そのトレンチに地下水の残り約600tが流入し、汚染源に触れ汚染水として推定で約300t/日が海に流出しているという深刻な状態が続いていた。
更にトレンチから採取した汚染水の分析を、原発敷地内にある「放射化学分析室」で、24時間体制50人〜60人で行っていたが、人手不足で限界状態。専門知識を持った作業員の確保が十分できていなかった。
(疫病神・安倍の無知・無関心が招いた危機。 クローズアップ現代「最新報告 汚染水クライシス」 2013.9.11)
9月3日、国が示した汚染水対策の柱は2つ。
①地下水バイパス:地下水が建屋に流入する手前に井戸(ドレイン)を掘り、地下水を汲み上げ、浄化後海に放出。
②凍土壁:345憶円を投じて、4つの建屋を、総延長1.5km、深さ30mの凍結壁で取り囲み、地下水を完全に食い止める前代未聞のプロジェクト。
(汚染水は完全コントロールと国際公約した安倍。今更、海洋放出はないだろう。 クローズアップ現代「最新報告 汚染水クライシス」 2013.9.11)
「国が前面に立ち、汚染水を完全にコントロールします」と国際公約をして東京に汚リンピックを招致した安倍。
結果はどうなったのか?
「タンクの増設が限界に近付いているので海洋放出します」
これを勝手に決めて実行したら、世界の人々は「日本は公約を守った」と喜んでくれるだろうか?
「ふざけるな!日本」と世界中が怒るだろう。
2011.3.11にスリーマイル島やチェルノブリの事故を超えるメルトダウン事故を起こした福島第1。放射能を世界中にまき散らし2年4カ月も汚染水を海洋にタレ流しながらそのことを認めずに黙っていて、「日本政府の責任でもって汚染水問題を完全解決します」と世界公約したと思ったら、「トリチウム以外の放射性物質も残っているかもしれない汚染水を海洋放出します」と勝手に宣言する。
日本には加害者意識が欠けているのだ。元徴用工問題、従軍慰安婦問題、南京事件など、未だ率直な姿勢で正面から加害行為を認めようとせず、隣国といつまでもこれらの問題を引きずるのは、加害者としての責任感が希薄で疎いからだ。だから中国などから「反省しない国民性」、「うわべだけの謝罪でちゃんと反省しない」と揶揄されるのだ。
上記で寺島実郎さんが「世界の日本をみる眼差しは相当に厳しい」と苦言を呈した理由がお分かりだろう。
9月16日のIAEAの総会で、韓国からこの点を指摘されて、引原大使が「処理水は日本政府の小委員会で精査中(海洋放出は未決)」とアイマイな回答をした理由もお分かりだろう。エロ・アニメ好きの竹本科学技術相は、韓国の指摘に「風評被害を広めている国がある」と暗に韓国を非難したが、日本で通用する「風評被害を広める人」とレッテル貼りをして、反原発派や海洋放出反対派を言論封殺する手法は世界では通用しない。反対に韓国からIAEAの現地調査を受け入れるよう要求されてしまった。
東電は2016年6月26-27日の間、「極力リスク低減のため、伊勢志摩サミット中は必要以外の作業を中止する」と発表した。汚リンピック1年前に海洋放出をしてタンク満杯危機を回避しておけば、世界から汚染水問題を指摘されることはなくなる。すべて順調に進んでいると。
チコちゃんなら「日本人よ、ボーと生きてんじゃねえーよ!」と叱るだろう。
16才の環境活動家グレタ・トウーンベリさんなら「日本人は、お金と経済発展と原発再稼働の話ばかりをする。これだけ世界を汚染させておいて、恥ずかしくないんでしょうか!日本人を許さない!」と涙ながらに訴えるだろう。
経産省・資源エネルギー庁、原子力規制委員会、東電は、汚染水対策は着実に効果を上げている、対策前の1/3に減少していると成果を誇るが、大本営発表と同じである。
現在(2019.9.27)の汚染水発生量は約170t/日。資源エネルギー庁は2020年内にこれを150t/日まで低減する目標だという。これ以上打つ手なし・やる気なしと宣言しているのと同じだ。
凍土壁は一定の地下水流入低減に貢献はしているが、止水には至っていない。
海外の評価も厳しい。「壁というより穴の開いたフェンスに近い」と酷評している。(ロイター 2018.3.8.)
この汚染水対策の失敗は、安倍の原発への無知・無関心、国際公約である汚染水対策の完全解決への熱意の欠如、官僚風を吹かす原子力規制委員会の東電・建設会社(凍土壁は鹿島主体)への傲慢な姿勢が原因である。
地下水の流入を止めなければ循環冷却はできず、汚染水は発生し続ける。
このような無能な連中にまかせていては、日本は汚染大国になるのは確実だ。
嘘と隠蔽を得意とする詐欺集団に任せたままではいけない。
タンク増設の敷地はタップリある。循環冷却を達成するために流入地下水の止水にもっと税金をかけるべきだ。雨水対策にも思い切ったプロジェクトが必要だ。トリチウム低減分離も可能だ。「トリチウムは除去できない」と思い込んでいる人は、既に海洋放出派の大本営発表に洗脳されている証拠である。国際基準(ICRP等)という政治的妥協で決められる基準を盲目的に信じるのは、放射線の危険性を他人まかせにする大バカである。
2019.9.20公開記事
●安倍の狙いが分かった!進次郎人気で国民を誤魔化して、福島トリチウム汚染水の海洋放出を強行するつもりだ。
2019年9月17日、日本維新の会代表で大阪市長の松井が突如、とんでもないことを言い出した。
「将来、総理を期待されている人が<所管外だ>とか、そういうことで難しい問題から批判をそらすようなのは非常に残念だ。真正面から受け止めてもらいたい」と、約960基のタンクに溜まり続ける福島第一の汚染水の「海洋放出」を決断しない小泉環境大臣を批判した。
(この男、IR誘致が横浜に取られないよう安倍一派にゴマをすったのかも。朝日新聞DIGITAL 2019.9.17)
経緯をみれば歴然である。
2016年
・汚染水処理について、海洋放出、地層注入など5種類の処分方法について公聴会開催。「第6の選択肢」として「貯蔵継続」が公聴会出席者から挙げられたが、複数の委員が否定的見解を示した。
2018年
・8.30-31:資源エネルギー庁の説明公聴会で海洋放出が合理的と強調する資料が配布。
・10.1:政府有識者会議で、処理済み汚染水にトリチウム以外の放射性物質が残存していることが判明、東電謝罪。
・12.13:東大・福島大による消費者アンケート回答:海洋放出に反対がほぼ半数。海洋放出後の福島産海産物を「購入したくない」26.4%(倍増)、検討会議中断。「貯蔵継続」議論、棚上げ。
2019年
・8.9:政府有識者会議で東電が、汚染水の敷地内での継続保管に難色。委員から資料等が不十分と東電を批判。委員の1人は「風評被害を抑えるために処理水をため始めたのだから『敷地が足りなくなったから処分する』という話にはならない」とくぎを刺した。
つまりドツボにはまってしまった汚染水処分問題。
1.トリチウム除去だけでも莫大な費用がかかる。汚染水を海洋放出するには、トリチウム以外の核種を取り除く再処理も必要である。
2.廃炉作業だけでも莫大な費用がかかっており、政府も東電もこれ以上汚染水の長期保存に金をかけたくない。
今後も、米へのご奉仕、宇宙軍など日本の防衛費に税金を傾斜投入したい安倍にとって、汚染水処理に税金を削られたくない。強引に海洋放出しても非難をあびない妙案はないか?
そこで小泉進次郎・環境大臣の誕生というカード。このカード、安倍支持率も上がり、「進次郎さんがそういうなら海洋放出もいいんじゃない」というミーハー期待。ただし進次郎が放出に反対すれば、タンクの敷地確保・増設の問題が発生し、それは進次郎の責任になる。反対するハズがない、と踏んだ。
そこで念押しに、進次郎に海洋放出が政権の考えであることを分からせるよう仕掛けを打った。
2019年
・9.10:原田・前環境大臣が退任時の記者会見で最後っ屁「汚染水は海洋に放出して希釈する他に選択肢はない」。この発言に地元漁業関係者らが猛反発。
・9.11:小泉環境大臣就任時、前任者の最後っ屁について問われ「所管外」として逃げを打つ。
・9.12:いい格好をしたい新大臣の進次郎が、福島に飛び漁業関係者に謝罪。処理の具体策には言及せず。
前任大臣が退任時にわざわざ猛反発覚悟で政権の方向性を示したのに、空気を読まない進次郎。これまでの汚染水問題の政府の取り組みを勉強していれば、「できる限りの処理をして海洋放出する選択肢も考えるべきかもしれない」と、若いが物わかりがいいから忖度して適当に言うだろうと思った安倍たちは当てが外れあわてた。
そこで維新の松井が呼ばれた。政権幹部が言うとまずいので、松井からストレートに分かるように「逃げずに放出を決断せよ。福島地元での放出に抵抗が大きいなら大阪でまずやってもいい」とメッセージを送ることを、陰謀大好きな安倍らから頼まれ引き受けたのだろう。もちろん関西の多くの関係者から反発を受けることは必至なので、松井がタダで引き受けるわけがない。多分、横浜IR誘致の件もあるので、大阪へのIR誘致への後押しをバーターで提示した可能性は考えられる。
・9.17:松井・大阪市長「処理済汚染水は海洋放出すべき、大阪湾での放出も可能」と言及。
松井のメッセージを聞いて、進次郎もようやく気付いたのか、「(松井さんと)会う機会があれば考えを聞いてみたい」とコメントしている。
このタイミングで、松井(日本維新)が汚染水問題に、何の見返りもなく突如首を突っ込む偶然はありえない。
この本「プルトニウム」の著者は、「核戦争防止国際医師会議+エネルギー・環境研究所」である。
核戦争防止国際医師会議は、核兵器廃絶を求める医師たちの世界的組織。政治的に不偏不党の組織として、冷戦さなかの1980年発足。核戦争の医学的影響に関する研究・教育活動が認められ、1985年にノーベル平和賞を受賞した。現在、83か国、会員数約20万人。
その中の放射線生物学(radiobiology)の引用から簡単に説明する。
空気中では、α線は数cm、β線は数十cm、γ線は数十m進む。危険なのは内部被ばくの場合である。人体内を透過する時、細胞を構成する原子に衝突し、電子や原子核を吹き飛ばし電離することになる。飛ばされた粒子がまた他の原子を電離する。電離された原子を含む分子や化合物は瞬時に分解する。
運悪く衝突された原子が遺伝子の一部だった場合は、遺伝子の破壊か損傷が起きる。
ただ遺伝子は細胞の体積全体からみれば、ごくわずかだから確率的には遺伝子の損傷等は少ない。人体の大部分は水分。放射線の多くは細胞内の水と衝突して電離が起き、非常に反応性の強いイオンや、水素と酸素の不安定な化合物が発生する。これにより細胞内に様々な悪影響が起き、細胞が破壊されたり、細胞の機能が損なわれたりする。
だが体には修復機能があるので、放射線量が少ない場合は電離作用の影響は少なく、修復機能が高ければ放射線の悪影響は少なくて済む。ただ稀に放射線により細胞分裂に異常を引き起こす場合があり、その場合は癌になる可能性がある。
一般的に地球の生物は、自然放射線「バックグラウンド放射線」の中で生きている。ラドンや人工放射能(放射性降下物や医療用X線)の影響を除外すると、海抜ゼロmで1ミリシーベルト/年程度である。死亡原因の約20%は癌によるものと言われている。ほとんどの癌は放射能以外の原因でも発症するが、バックグラウンド放射線によるリスクも可能性として捨てきれない。
低線量被ばくでも、癌リスクがあるとされている。つまり「この線量以下なら安全」といえる量はない、という内容の報告「BEIR-Ⅶ」を米国科学アカデミー(NAS:米国の最も権威ある学術機関の1つ)が発表している。
放射線を浴びることで細胞内に発生した有害な化合物を、人体機能が修復・解毒するために、代謝が活性化されることは確認されている。だがそれはあくまでも人体が防御するために働いたことであり、体に良いことではない。体に無用の負担をかけることである。長期に低レベル放射線を浴び続ければ、体に慢性疲労や頭痛、めまいや代謝機能の低下、癌化リスクも確率的に高まる。動物・植物・微生物由来の毒物の毒性と素粒子レベルの放射線の人体への悪影響は根本的に違うものだ。
<トリチウムとは>
水素は、H(電子+陽子)、重水素(D=デューテリウム:電子+陽子+中性子)、三重水素(T=トリチウム:電子+陽子+2中性子)などの、主な同位体が存在する。自然界での存在比は、H(99.985%),D(0.015%)、T(ほぼ0%)。
つまり、トリチウムは自然界にはごく微量にしか存在しない。HとDは放射能がない安定同位体だが、トリチウムは、中性子がβ崩壊(電子放出)する12.4年の半減期を持つ放射性同位体である。
よってトリチウムは、約12年で1/2、約24年で1/4、・・と減少していく。通常ほぼ無害となる年数(1/2^10=1/1024=0.000977)となるには、12年×10倍=120年とされる。
松井が言う、「科学的根拠に基づく自然界の安全レベルに達した汚染水を海洋放出する」とは、
「現状のタンクに貯留している汚染水を、トリチウム以外の放射性核種を再処理して取り除き、トリチウムだけになった汚染水を、約120年間タンクで保管した後、海洋放出しても問題ない」ということを意味する。
松井も維新(吉村、音喜多)も恥知らずな嘘ばかりを垂れ流さず、科学を勉強しなければいけない。
東電は「原発敷地内ではこの先3年で満杯になる」と海洋放出に誘導しようとしている。
<トリチウムによる体内被ばく>
トリチウムは体内にトリチウム水(HTO)として取り込まれやすい。我々が普段飲む水(H2O)とトリチウム水とは区別がつかないからだ。主に血液として体内を巡る。トリチウム水の生物的半減期は約10日とされる。(諸説ある。つまり運よく尿として出て行ってくれた場合である)
タンパク質やDNAは水素結合で構成される。血管から細胞内に取り込まれたトリチウムは、たんぱく質や糖や脂肪の有機結合体の構成要素(OBT)として固定されると、被ばくと障害の危険性が高まる。
トリチウムがβ崩壊すると、β線を放射しヘリウム3に壊変する。別の元素に変わるため、そのたんぱく質や糖は分解することになる。それがDNAならその部分が損傷する。β線は細胞内では1ミクロンほどしか飛翔しないが、そのトリチウムがDNAの構成要素になっていれば、近傍にDNAがあるので、β線によるほかの部分のDNA損傷も発生することになる。染色体異常、ガン化のリスクが高まる。
同様に血液中のトリチウム水のβ崩壊は、赤血球や白血球などを被ばくさせる。
人体の修復防衛機能が働くので、トリチウムが自然界に微量であれば問題は大きくはならないが、これが大量に海洋放出されると体内被ばくの確率が大きくなる。
<トリチウムは大気循環で飲料水として戻ってくる>
トリチウムが大量に海洋放出されると、「希釈されるから無害になる」そんなわけないだろう。希釈で放射能はなくならない。トリチウムは海面から水蒸気に含まれて蒸発し、大気や雲や台風に乗って、日本(もちろん日本だけではないが)の山々に降り注ぎ、川に流れ込み、貯水池・浄水場に貯留される。当然、浄水場でトリチウムを取り除くことはできない。
(推測だが、政府のトリチウム水タスクフォース設置(2013.12.25)時、JAEA(日本原子力研究開発機構)、東電などの関係機関のメンバーが会合し、その時にトリチウムについての情報共有のため、説明配布された資料と思われる。
2012年3月13日(SRNL:IMMEDIATE RELEASE)に、除染・廃炉に関する情報収集のため、東電等のメンバーが米SRNL(サバンナリバー国立研究所)等を訪問した際の資料と思われる英語資料も添付されている)
<トリチウムは海洋で生物濃縮される>
トリチウムは、水素結合による有機結合型トリチウム(OBT)として、たんぱく質や糖や脂肪に取り込まれることは上記で述べたとおりである。海洋には海水以外に様々な有機物が存在している。それらに水素結合でトリチウムが取り込まれると、海洋微生物によって濃縮される。微生物は小魚によって濃縮される。小魚はもっと大きな魚種に濃縮されていく。最終的には、地球上の食物連鎖の頂点に位置する人間に濃縮されていく。
1.NY州ロングアイランドの原子力関連施設の近隣住民にガンなどの難病が急増、トリチウムが敷地外に長期間漏れだしていたことが判明。NHK BS世界のドキュメンタリー「原子力大国アメリカ」2013.12.18放送。
2.エクセロン社(米国で原発を最多保有。スリーマイル島原発もこの会社)によるトリチウム・リーク訴訟。
イリノイ州シカゴの西南郊外、エクセロン社が保有するドレスデン、ブレイドウッド、ラサールの3つの原発が、南北約15km、東西約35kmの地域に立地している。これらの原発から出た汚水を近郊のデイ・プレインズ川に放出。汚水はトリチウムに汚染されていたが、NRC(米原子力規制委員会)は「国際基準以下なので影響はない」としてきた。しかし町では多くの子供たちがガンなどの難病で亡くなっていた。
NHK「低線量被ばく 揺らぐ国際基準 追跡!真相ファイル」2011.12.28放送.(原発推進3団体から抗議を受けた番組)
セーラ・ソウヤー(18才)さんは10年前、突然脳腫瘍を発症した。(トリチウムは脳の脂質に蓄積しやすいと言われている)。セーラさんは治療の後遺症で、18才現在、身長140cmほどしかない。
セーラさんが脳腫瘍を発症したのは、この町に引っ越してきて4年目だった。
母親のシンシアさんが語る。
「セーラはあの井戸の水をまいて遊び、食事をしていたんです」(トリチウムは皮膚からも吸収されることが判明している)
「病気になってからは、シカゴから水を取り寄せ、怖かったのでその水で、料理、皿洗い、歯磨きをさせた」
ガンと原発との関係を証明するため、ソウヤー夫妻は州政府から過去20年間の全住民1200万人の病歴資料を取り寄せた。小児科医で夫のジョセフさんが分析したところ、原発周辺地域(ドレスデン&ブレイドウッド)だけが、脳腫瘍・白血病が30%以上も高いことが分かった。さらに小児がんは2倍になっていることも判明した。
ソウヤー夫妻は、国に全住民の徹底した健康調査を求めた。しかし国は、「井戸水による被ばく量は年間1μSv(マイクロシーベルト)と小さく、健康を脅かすことはない」と回答してきた。
今日2019年9月19日、東電の旧経営者3人、勝俣元会長、武黒元副社長、武藤元副社長に無罪判決が言い渡された。この国は、高い給料と大きな権限をもつ人間ほど責任を取らなくなった。被害を受けるのは、米国も日本も下級国民だけである。原発関係だけでなく上級国民はいつも国や権力により守られている。
いつものように国民の多くは忖度TVメディアが増幅した松井の声に従うのか?
電力会社の身勝手な経済的合理性、愚かな政治家の政治的欲望、安倍の操り人形である芸人コメンテーターの無責任なコメントなど、安易で非科学的な理由で福島の汚染水を海洋放出すればどうなるか。
筆者は条件次第では、松井の声に従っても良いと思っている。条件とは、
松井市長や吉村知事や音喜多ら、維新の連中が安全と強調する汚染水を毎日飲んで実証してほしい。上記のセーラさんは4年後に脳腫瘍を発症している。4年間の実証で安全が担保されたら松井らの言葉を信じてもいい。