2019.10.8公開記事
●最初から海洋放出に決まっていた。
まず、東電の、海洋放出に世論誘導するための嘘or誘導説明を整理してみよう。
2019年10月5日、外国人記者が福島第1を視察した時に、東電側が記者に説明した内容をもとにしている。(朝鮮日報の李河遠(イ・ハウォン)特派員の記事 既に削除)
<嘘or誘導説明>
①汚染水タンクは2022年には「満タン」になる。現時点で新しいタンク建造計画はない。
②汚染水の処理方法は現在未定。政府の最終決定待ち。
③処理方法6案(海洋放出、水蒸気放出など)のうち、海洋放出を前提に検討中。
④トリチウムは除去できない。
⑤複数の実験結果から、トリチウムは人体に大きな被害を与えない。東電廃炉カンパニーの大山勝義リスクコミュニケーター「トリチウムは人体に大きな害がない。人体に入ると大部分が放出される」と強調。
上記①、②、③をみれば、「海洋放出」は政府と東電の間では決定事項であることが歴然である。
汚染水対処の所管は経産省だが、環境省の外局である原子力規制委員会を所管するのは環境大臣である。したがって海洋放出のお墨付きを与えるのは、環境大臣である進次郎だ。その進次郎の口から「海洋放出が妥当」と発表させることは予定路線である。あとはその発表を「いつ」にするかだけが決まっていないだけである。理由もハッキリしている。「一番安い(試算額約34億円。他の案の約1/10〜1/100)」からで、無責任な日本の与党の政治屋や官僚は人体への悪影響、地球汚染などは、検討要素には入っていない。
海洋放出以外の5案は最初からアテ馬で、④と⑤は嘘である。
簡単な証明をご紹介しよう。
- サバンナリバー・サイトは、トリチウムの分離・抽出技術とトリチウムの汚染実例を教えてくれる。だがトリチウム汚染水処理の選択肢選びには、都合が悪い。
2016年6月3日付けで、経産省HPに「⑥トリチウム水タスクフォース報告書」と「⑦参考資料集」がアップされているが、わざわざ「本評価は、関係者間の意見調整や選択肢の一本化を行うものではありません」と断りをいれているが、2つの資料を比較すると、まさに「海洋放出一本化」を狙うものである。
資料⑦には、冒頭の参考1の記事の中でも紹介したが、東電等のメンバーが2012年3月13日に、除染・廃炉に関する情報収集のため、米SRNL(サバンナリバー国立研究所)等を訪問した際の資料と思われる英語資料が添付されている。だが資料⑥にはない。なぜか?
ゴルフのマスターズ・トーナメントが開催されるオーガスタ近くにある核施設、サバンナリバー・サイト。ここは米核兵器開発の中心地の1つで、1950年代から5基のプルトニウム生産用原子炉と2つの再処理工場が造られた。2010年代の核軍縮による影響で、4000人近くのリストラが行われ、衰退したが、水爆用のトリチウム製造は続けられている。トリチウムは12.4年の半減期のため、12年経つと水爆の機能を失う。そのため、トリチウムを入れ替える作業が継続して必要になる。
つまりサバンナリバー・サイトは、トリチウムの製造・分離・抽出する技術の宝庫なのだ。
「⑦参考資料集」P129の英語資料には、「トリチウム分離プロセス」、「SRNLは詳細(トリチウム分離抽出)には最良の情報源である」とアピールしている。その後に続く英語資料(P129〜P135)には、トリチウム水(HTO)の分離抽出機器と処理プロセスの紹介が記述されている。
つまりサバンナリバー・サイトの資料は、東電の上記④が嘘であることがバレので、報告書⑥に載せなかったのである。更に都合の悪いことに、サバンナリバー・サイトからはサバンナ川に大量のトリチウム排水が行われていて、下流に深刻な汚染が広がっている。だが報告書を書いた官僚は、次のように言い訳するだろう、「隠蔽の意図はない。その証拠に⑦参考資料集も掲載している」とアリバイを主張するだろうが。
不都合な情報は平気で隠蔽し、国の望む方向へ国民を誘導する。公平・中立な官僚機構は絶滅した。
(トリチウムは危険だが分離除去できる。 ⑦参考資料集、及びYouTube「米国の核施設 ハンフォード他」)
- タンク増設の敷地はタップリある。進次郎(環境書)が決断すれば解決することである。
経産省の「中間貯蔵施設情報サイト」HPを見て頂きたい。
環境省の管轄下で、成田空港の1.3倍、約1600haの土地が中間貯蔵施設として整備が進められている。福島県内の除作業ででた土壌・廃棄物等をここに集中して、最終処分が決まる30年間保管するエリアである。整備工事事業社は「JESCO」、国が100%出資の特殊法人である。
エリア内の地権者約2360人中、約73%の1700人が、国と土地の提供契約をしている(2019.8現在)。国が買い取った土地もあれば、30年後にまた戻って来たいという地権者と借地権契約した土地もある。
エリア全面積1600haのうち、少なくとも約330haは公有地として使用できる予定である。
東電試算によれば、現在の貯蔵タンクの敷地面積は約24ha。3年後の2022年末までには、29haになるという。
またタンク以外に必要な敷地がいるという。燃料デブリの一時保管施設や、ある程度冷却ができた使用済み燃料を乾式キャスクに格納して空気冷却する一時保管施設、計8.1haも必要だという。
つまり8.1ha+29ha(今あるタンク敷地をもう1つ)=約37haを用意すればいいだけである。
国は海洋放出を既定路線で動いているので、経産省も環境省も原子力規制委も屁理屈をつけて、中間貯蔵施設エリアはタンク増設には使えないと言い出すだろう。
「汚染土置き場として地権者と契約したから、今更汚染水置き場として契約の枠組みを更新し直すのは大変だ」とか、シノゴノ言い出すに違いない。進次郎よ、君が環境大臣だ。「貯蔵継続」にするか、「海洋放出」にするか、君が決められる。本物の政治家か、「中身無し」の見掛け倒しかの分かれ道になる。
国民の多くが海洋放出に反対だ。国の莫大な税金を投入している事業である。腐敗した公僕の浅はかで勝手な決断で、国民の健康と命を損ねる海洋放出は許さない。国民の声を聴け!
(敷地は有り余るほど。環境省HP、及び犬HK「中間貯蔵施設に消えるふるさと.福島.原発の街で何が」(2019.9.19))
- F35を17機ほど、トランプに「もういらん!」と投げ返せば、海洋放出する必要もなくなる。
タンク増設スペース約37haあれば、凍土壁で当初より汚染地下水流は減っているので、時間的余裕が十分できる。その間に、完全止水対策とトリチウム分離・除去施設を稼働させる必要がある。
凍土壁は345億円。F35(約120億円)3機分である。凍土壁のようなものでなくても遮水壁を2重、3重にするなら、F35を6機(720億円)ほどトランプに「もうイラン!」と投げ返せばこと足りる。地下水増加の要因である雨水対策にも、もう2機(240億円)ほど投げ返す必要がある。
トリチウム分離除去施設の建設費は、ロシアのロスアトム製では、790億円。ほかの技術施設も足すなら、1000億円あれば足りるだろう。F35約9機分である。
合計F35を17機削減すれば、日本と世界をトリチウム汚染から救うことができる。
(バカの安倍が日本の防空に弱点となる穴を開けてしまった。 ヒストリCH「Defending Japan 狙われた領空」)
大体、日本がF35を105機もバク買いしたことで、「アホとちゃうか!」と米空軍から笑われていることをご存じだろうか?日本が退役させるF15を、米空軍は80機も調達するのだ。
安倍のバカがトランプにねじ込まれて、「ハイ、ハイ何でも買います」と愚策を繰り返しているからだ。
もちろん、直截に「アホ」とは言っていない。ヒストリCH「Defending Japan 狙われた領空」で、米空軍関係者は婉曲にこう言っている。
「日本はF35を防空に用いる気に思える。だが高性能と噂される中露の戦闘機に対抗することは、本当に可能なのだろうか?」
また、こうも言っている。
「F35は制空戦闘機ではないということだ。・・F15と比べてもその制空能力は低い」
「F15の性能は、F35をしのぐ。F35はステルス性は有するものの、最高速度はわずかマッハ1.6、F15はマッハ2.5。航続距離はF35は2200km、F15は5000km。そしてF35の空中戦での機動性はF15にもF22(ラプター)にも劣る」
「F15は古い機体だが、常にアップデートされてきた。今日でもF22に次ぐ米空軍の主要制空戦闘機であり続けている。またF15は輝かしい戦績を誇っている。空戦実績は通算104対0。この数字は前代未聞」
注:F22ラプターは、米空軍のF15制空戦闘機の後継機。ステルス性を有し、爆撃機としても使えるマルチロール機だが、制空戦闘に重点を置いている。F22はマッハ2.25、航続距離3000kmなどF15より性能面で劣る部分はあるが、米空軍はF22のステルス性とF15のそれぞれの特性を生かした運用を目指している。F22は米議会が米国以外への輸出を禁止している。F35はF22の補完機で、対地攻撃を主目的するマルチロール機で、制空戦闘機ではない。
いつまでもバカな最高責任者を国のトップにしていると、汚染水対策でもとんでもない事をやらかすだろう。