イエス・キリストのバースデイ?

2017.11.28公開記事

「もちろんクリスマスの日に決まっているじゃないか」と答える人が多いだろう。でもそれはハズレ。
キリスト教をローマ帝国の国教に定めたコンスタンティヌス帝の治世336年12月25日、ローマ・カトリック教会が太陽神ミトラの誕生日とキリスト生誕日を同化させたのだ。キリスト教がローマ帝国内に普及する前からミトラ教はローマ兵士を中心に広く信仰されていた。

(ナショナル ジオグラフィック チャンネル「マグダラのマリア」から)

 

 

 

 

 

ミトラ神の誕生日というのは冬至の日であり、その日から太陽は夏至の日に向かって高度と日照時間が増していく。不滅の最高神の太陽の成長は生命の誕生や復活の象徴を意味していたから、イエス・キリストの降誕日に重ね合わせると都合が良かった。

  • コンスタンティヌス帝のバランス感覚とキリスト教へのすがる思いの結果

「ローマ皇帝歴代誌」(クリス・スカー著)によれば、

 

 

 

 

 

 

 

324年、東部皇帝リキニウス帝をクリュポリスの戦いで破ったコンスタンティヌス帝はローマ帝国の唯一の皇帝となった。
彼は四分割統治の西部副帝から西部皇帝に至る間は慎重に慈悲深い言動を装っていた。312年までは、それまでの軍人皇帝が太陽を最高神として崇拝していた伝統から逸脱するような行為をとらなかった。313年、彼とリキニウス帝はミラノ勅令を発し、キリスト教を公認してキリスト教会の資産返還を東部属州まで広げていったが、ローマの古代神への信仰を制限したり禁止したりする急激な変化は行わなかった。
ローマ帝国は建国から地中海地域一帯を占領支配していく過程では同化政策を推し進めていった。同化はローマ帝国の占領支配における常套手段だった。

<脱線>

新スタートレックに出てくる、あらゆる他星の生命体を同化していく機械生命体ボーグはこのローマ帝国の歴史からヒントを得ているのではないかと思う

(グラマー・ボーグの<セブン>。スタートレック・ヴォイジャー第72話「名誉の日」から)

 

 

 

 

 

そのセブンを超えてしまったカナダのモルタルさん。あなたが手に持つハンドフェイザー銃で理不尽に撃たれたとしても文句をいう男性は一人もいないでしょう。また他の生命体を攻撃・占領するときのボーグの「お前たちを同化する。抵抗は無意味だ!」の常套句。筆者はもちろん抵抗などしません。喜んで同化されちゃいます。意味不明)

 

 

 

 

 

 

 

<脱線終わり>

ボーグには神はいないが、ローマは積極的に占領支配地の宗教を吸収同化していった。ローマ神のユピテル、ユーノーなどがギリシャ神話のゼウス、ヘラなどとよく似ているのはそのためだ。

またミトラ信仰の儀式はキリスト教の儀式と非常に似かよった点があった。ワインを血に、パンを聖体にたとえて拝領した。これはキリスト教における聖体の拝領儀式そっくりである。偶然なのか、それともどちらかが相手方の儀式を取り入れたのか。

この儀式は新約聖書の共観福音書にも書かれており、またパウロの「コリントの信徒への手紙 一」の「主の晩餐の制定」<11.23-26>にも書かれている。
ただパウロのこの部分の言葉には別の意味で、筆者は違和感を感じている。

<コリ一 11.23>「わたしがあなたがたに伝えたことは、わたし自身、主から受けたものです。すなわち、主イエスは、引き渡される夜(逮捕される夜)、・・」

と書かれているが、ご存知のようにパウロはこの最後の晩餐にはいなかった。パウロはこの頃、強硬なパリサイ派であった。律法を軽視し反ユダヤ教的な布教を続けるイエス一派を弾圧していた頃である。

筆者はキリスト教徒ではなく新約聖書の解釈の素養もないので読み方が間違っているのかも知れないが、そのままの字句を解釈すればパウロは嘘を言っていることになる。それともイエスの教えを説明する上での便法上の言い回しのためか、あるいは日本語翻訳上でのニュアンスの違いなのか、筆者には違和感を抱く部分ではある。

(ナショナル ジオグラフィック チャンネル「マグダラのマリア」から)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2世紀頃には、この二つの宗教はあまりにも似ているので悪魔が真似て創ったものだとも噂されていたようだ。

324年、コンスタンティヌス帝に邪魔立てするものがいなくなり、彼は自由に政策を行える立場にたった。これまで行っていたローマ神への生贄を禁止し、性的不道徳に関する厳格な法律の制定、儀式としての売春の禁止を定めた。また異教神殿の宝物を捜索し没収するという宗教政策を推し進めた。没収された宝物の一部は換金され、ベツレヘムやエルサレムのなどの聖地での教会堂建設費に充てられた。同時に実質上の帝国の首都となるコンスタンティノポリスの建設も行った。

そして初めてのイエス・キリストの降誕祭を祝った336年、コンスタンティヌス帝が没する1年前である。彼は63歳か64歳の老境に入っていた。ペルシャに遠征しペルシャ人をキリスト教徒に改宗させ、キリストと同じようにヨルダン川で自身が洗礼を受ける計画を立てていたが、337年の復活祭(イースター)の後、重い病にかかり倒れ、イースター後の7回目の日曜日にあたる聖霊降臨日に息を引き取った。

  • キリスト生誕年が西暦元年、のハズが、ちょっと計算ミスしちゃいました

デイスカバリーチャンネル「聖書3賢者の謎」によると、6世紀の修道士ディオニシウスが当時のローマ法王の命でキリスト生誕紀元を算出した。それまで使われていたユリウス暦はローマ帝国建国を元年としていたからだ。彼は計算が苦手だった。ローマ皇帝の年表から歴代ローマ皇帝の統治期間を順に遡って足していった。イエス・キリストが生まれたのは初代皇帝アウグストゥスの時代。

(ディオニシウスが使ったのと同じ歴代ローマ皇帝の年表:「ローマ皇帝歴代誌」(クリス・スカー著)から)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

アウグストゥスは皇帝在位の最初の4年間(BC31年―BC27年)はオクタビアヌスと名乗っていた。修道士ディオニシウスはこの4年間をウッカリして計算に入れなかった。さらにディオニシウスは紀元0年からではなく、紀元1年から始めてしまった。結局合計5年間の空白ができてしまった。今では紀元前7-4年の期間にイエス・キリストが生まれたというのが歴史学者や神学者の定説になっている。

(ヒストリーチャンネル「バイブル~知られざる聖書の謎~イエスの真実」から)

 

 

 

 

 

  • イエス・キリストは紀元前7年3月生まれ。「イエスのミステリー」(バーバラ・スィーリング著)から

 

 

 

 

 

 

この著書の64頁に「BC7年の3月に、ヨセフとマリアの間にイエスが生まれた」とある。
著者は当時オーストラリアのシドニー大学で死海写本について講義していたバーバラ・スィーリング博士。1990年、ABC(オーストラりア放送委員会)が彼女の注目すべき仮説をTVドキュメンタリーとして放送した。その放送内容は死海写本と新約聖書との関係に関するものでキリスト教の基礎を揺るがすものだった。革新的・独創的という評価とまやかし・誤解を招くという批判の両極端の物議を醸し出した。しかし博士のこの著書は10カ国語以上で翻訳されベストセラーとなった。
この新説は死海写本だけでなく、ヨセフス(1C頃ローマ軍に投降したユダヤ人。多くの史実を記録に残したことで有名)やフィロン(1C頃のギリシャ哲学を視点においたユダヤ人の聖書学者)の資料、ナグ・ハマディ文書(グノーシス福音書と呼ばれる50を越す文書からなる。新約聖書を補完する部分や矛盾する部分を含む)などの諸文献を新約聖書と比較考証している。スィーリング博士の21年にわたる研究の集大成の成果である仮説だ。
福音書の奇跡物語や矛盾する記述の裏には隠された「暗号」が存在するという聖書解釈の見方が長年あった。博士は「ペシュル」という「暗号」解読技術で新約聖書を読み解くとイエス・キリストの実際の歴史が浮かび上がると説明している。この「ペシュル」は旧約聖書の解釈から採用された技術で、死海写本が発見されたクムランの洞窟近くで活動していたエッセネ派の書記たちがよく使っていた技術だそうだ。
ユダヤは長い期間ローマ帝国の統治下にあったが、ローマの神々ではなく唯一神ヤハウェのみを信奉する要注意の属州だった。またユダヤ戦争と呼ばれたローマへの反乱も起こすやっかいな属州だった。そのためローマから睨まれるような布教本は表立って配ることはできなかった。ユダヤ教は一応ローマから許されていたが新興のキリスト教は地下活動しかできなかった。布教本には直接的に危険な内容や警戒をされるような表現は極力避けなければならなかったという事情が容易に推測される。

この新解釈の著作では、イエス・キリストは十字架にかけられ蛇の毒を盛られ一時的に仮死状態に陥ったが、友人たちに墓から助け出されて蘇生した(153頁)とある。そしてイエス・キリストとマグダラのマリアの間に息子が生まれ、イエス・ユストゥスと呼ばれた(175頁)とある。

スィーリング博士も参考にしたヨセフスの文献だが、ヨセフスはイエスのことを「賢く超越した者」と記している。史実的存在であったことは間違いないようだ。

  • PCソフトで星座をシミュレートしたら、イエスは紀元前6年4月17日生まれ。モルナー仮説だ

ドイツのケルン大聖堂には東方の3賢人(バルタザール、ネルキオル、カスパル)の遺骨が納められている。大聖堂の尖塔の上には十字架ではなく、ベツレヘムの星を象徴するかのようにきらめく星の像が屹立している。

この遺骨はヨーロッパ各地にある中世に作られたまがい物の聖遺物ではなく本物の可能性が高いと謂われている。イエスに関わる唯一の遺骨であるとされ、黄金の棺に納められている。コンスタンティヌス帝の母ヘレナがこの3人の遺骨が入った黄金の棺を見つめている様子が大聖堂の壁画に描かれている。皇后ヘレナは改宗して敬虔なクリスチャンとなった。私財を投じて聖遺物の取集や教会建設などに情熱を傾けた。つまりこの3賢人の遺骨はヘレナが活躍したAD4世紀まで辿ることができる聖遺物とされている。

(デイスカバリーチャンネル「聖書3賢者の謎」から)

 

 

 

 

 

新約聖書に賢人たち(WISE MEN)が記述されているのはマタイの福音書だけである。人数は書かれていない。黄金、乳香、没薬の3つのプレゼントを献上したので3人とした後世の辻褄合わせである。また賢人たち(WISE MEN)とあるが聖書の原本では「MAGI」とペルシャ語で書かれていた。MAGIはペルシャの司祭、パルティアの神官で占星術師であった。マタイの福音書では、マギはヘロデ大王との謁見で「お生まれになったユダヤ人の王はどこにおられるか」、「東方でその方の星を見たので拝みに来た」と話している。

ルカの福音書にもイエス・キリストの降誕日の様子が書かれている。「羊飼いたちが野宿をしながら、夜通し羊の群れの番をしていた」ところに天使が現れ、メシアが「ダビデの町」(ベツレヘム)で生まれて「飼い葉桶で寝ている」と告げる。
現在ベツレヘムで70年間羊飼いをしている老人に聞いてみると、羊も他の家畜も夜通し外に出しておけるのは4月から9月の間だけで、冬の間は寒さが厳しいので屋内に入れておくのだという。よって厳寒の12月に羊飼いたちは野外で野宿はしていないことになる。

マイケル・R・モルナー博士は米ニュージャージー州立ラトガース大学の天文学教授で古代占星術の専門家でもある。博士は牡羊ときらめく星が描かれた古代ローマ時代のコインを見て「ベツレヘムの星」が何を意味しているのかのヒントを得た。

モルナー博士は星座シュミレーション・ソフトを使い、紀元前5、6年の星空を探してみた。すると紀元前6年4月17日の東の空に牡羊座の中に木星が明けの明星のように現れた。

(デイスカバリーチャンネル「聖書3賢者の謎」から)

 

 

 

 

 

 

古代占星術では牡羊座はユダヤを表し、木星は新しい王を表していた。つまりマギはこれをみてエルサレムに旅立ったという推論だ。他国への旅行の届け出を申請し、準備をし、砂漠を避け、夏の灼熱の日差しを避けるため秋に旅立ったという推測である。

マギはまず当時ローマ帝国内で最大の建造物「神殿の丘」を目指しただろう。ヘロデ大王はローマ帝国の威光をバックに権勢を誇り、地中海世界でも評判となるような巨大建造物を次々と建てていたからだ。人工の山の山頂に建てた要塞宮殿ヘロディウム、巨大人工港湾都市カエサリア、マサダの急峻な崖に建てた要塞宮殿など建造ラッシュ・ブームだった。そのなかでも「神殿の丘」はローマ帝国内のユダヤ人だけなく多くの異邦人も引き付ける有名な観光スポットだった。

マギが生まれたてのユダヤ人の王を神殿の丘で探し回っていると、神殿警備兵のアンテナにひっかかりヘロデ大王の耳に入ったに違いない。ヘロデは「不安を抱いた」と福音書にはある。ヘロデは「祭司長や律法学者を皆集めて、メシアはどこに生まれることになっているのかと問いただした」とある。祭司長たちは「ベツレヘム」だと答えた。ヘロデは善からぬ陰謀を胸に秘めてマギと謁見し言った。ベツレヘムに「行って、その子のことを詳しく調べ、見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」とマタイの福音書にある。
ベツレヘムに向かって出発したマギ。福音書では「王の言葉を聞いて出かけると、東方で見た星が「先立って進み」、ついに幼子のいる場所の上で止まった」とある。

モルナー博士が再び星座シュミレーション・ソフトを使い、その年、紀元前6年の12月の星空を探った。すると木星が牡羊座から先に離れ再び牡羊座に戻ったのだ。つまり木星の逆行が起きたのだ。そしてエルサレムから牡羊座にある木星を眺めると丁度その下あたりにベツレヘムが位置していた。紀元前6年12月19日の星空の様子である。

「家に入ってみると、幼子は母マリアと共におられた」とある。飼い葉桶、納屋とは書かれていない。もし春に生まれた(例えば4月17日)ならば、このとき約8か月が経っていたことになる。このあとマギはプレゼントを渡し、「ヘロデのところへ帰るな」という夢のお告げに従い、「別の道を通って自分たちの国へ帰って行った」とマタイの福音書にはある。

(イタリア・ラヴェンナの聖堂壁画。デイスカバリーチャンネル「聖書3賢者の謎」から)

 

 

 

 

 

伝説によると賢者たちは王になったという。3博士が王の冠をかぶっているクリスマス・カードがあるのはこの伝説がもとになっているからだ。

  • 謎の多い降誕物語ナショナル ジオグラフィック チャンネル「覆されるキリスト降誕物語」から

イエス・キリストの降誕についての記述はマタイとルカの福音書のみ。共通点は2つ、「マリアとヨセフの子」、そして「マリアの処女受胎」。

初期のキリスト教徒たちは4月21日や5月20日に降誕を祝っていたようだ。この日付はユダヤの人々の祝祭日である「初穂の祭」(過越祭の最終日に大麦の初穂を神に奉納)や「7週の祭(ペンテコステ=五旬祭)」(収穫祭の1つ、小麦の収穫が終わった後2個のパンと動物の生贄が神に奉納)あたりに符合するのでなにか関係があるのかもしれない。

また別の資料(ラルース世界史人物百科Ⅰ:フランソワ・トレモリエール他・著)によれば、冒頭のコンスタンティヌス帝の治世336年12月25日、ローマ・カトリック教会による太陽神ミトラの誕生日と同化するまでは、初期のローマ・カトリック教会はキリスト降誕日を4月18日か19日、あるいは3月28日か5月29日にするかで迷っていて見解が分かれていたとある。

死海写本にも書かれているそうだが、当時のユダヤ教の規定では出産直後の女性の汚れの期間が書かれており、清めの儀式が終わるまで、たとえ家族であろうとも男性は母親と赤子には近づけなかった。出産に立ち会えるのは産婆と女性だけであった。だから父親のヨセフも東方の3博士も、布で包まれて飼い葉桶に眠る幼子のイエス・キリストを見ることも近づくこともできなかったことになる。マタイとルカの福音書にもヨセフが出産の手伝いをして傍にいたという記述はない。

旧約聖書 レビ記の「出産についての規定」(12.1-8)がある。その抜粋の一部「産婦は出血の汚れが清まるのに必要な33日の間、家にとどまる。その清めの期間が完了するまでは、聖なるものに触れたり、聖所にもうでたりしてはならない」(レビ 12.4))とある。

(死海写本の清めの規律を強調した部分。ナショナル ジオグラフィック チャンネル「覆されるキリスト降誕物語」から)

 

 

 

 

マタイとルカの降誕の状況の記述が実際の状況と大きくかけ離れているのは、この2つの福音書が紀元80-90年頃に書かれたと考えられていて、2人がイエス・キリストの直弟子ではなかったとされている。

曲がり角に来た日本の原発政策。それでも国民より利権を優先する安倍政権。福島が9.11になる日が

2019.1.11公開記事

  • 転換点が迫っているのに、いつまでも原発利権にしがみつく安倍政権

2018年12月17日、日立製作所の会長であり、経団連会長でもある中西宏明氏が記者会見し、イギリス・アングルシー島で進めていた原発建設計画の事業費が膨れ上がり3兆円をオーバー、「もう限界だ」とギブアップ宣言。2019年1月の取締役会で計画断念を図る考えを表明した。国内で出資先に要請を行ったがいずれも拒否され、損失額は最大2700億円に上る見通しとなった。

これによって安倍政権が成長戦略として進めてきた、トルコ、台湾、ベトナム、リトアニアへの原発輸出は全て暗礁に乗り上げた。
敗因は、再生可能エネルギーの普及とコストパフォーマンス向上が指摘されているが、未曾有の福島原発事故を起こした日本の原発への不信感もある。実績のあるフランスやロシアに持っていかれることになるだろう。

(安倍政権が進めた原発輸出が全て頓挫。日立・中西会長がギブアップ表明。 サンデー・モーニング 2019.1.6)

 

 

 

 

 

<覆面座談会>

覆面X「経済界からようやく反旗が上がった。中身の無いアベノミクスの体面のために、東芝の二の舞になるのは御免だということだ」
覆面Y「菅官房長官は、中西発言は承知していないと言っていた。相変わらず都合の悪いことは無視する姿勢。往生際の悪い連中だ」
X「官邸に巣くう経産官僚が今後どう出るか?彼らが巨額の国費を投じて営々と続けてきた原発政策。その失敗は絶対に認めないだろう。
魅力のない原子力部門を縮小し撤退したい産業界、未だ収束しない福島第一の3メルトダウン原発後処理に手こづる東電、全国各地で増え続け溜まり続ける使用済み核燃料、トラブル続きで未だ本格的稼働の見通しが立たない六ヶ所村の再処理工場、候補自治体から忌避され漂流する最終処分地、果てしない除染作業と減り続ける廃炉・除染作業員、隠蔽・改ざんを続ける甲状腺癌患者数。
日本原発政策のあらゆる災いと悪徳が詰まった「原発パンドラ」という名の風船。そろそろ限界まで膨らんで破裂するのは時間の問題かもしれない」

  • 被災者の命・健康より賠償費用をケチるため、国際批判を受けても避難指示解除を続ける安倍政権

2018年10月25日、国連の人権特別報告者のバスクト・トゥンジャク氏が、
「(日本)政府が以前安全としていた放射線量の基準を超える場所など、危険を伴う地域に帰還を強いられていると感じている」と懸念を表明。それに対し日本政府が無視で応じているため、「日本政府には、幼少期の被ばくを予防し、最小限に抑える義務がある」と指摘した。

(日本政府が国際的基準に照らして被ばくリスクのある福島の危険地帯へ帰還を促していると国連が非難。AFP 2018.10.26)

 

 

 

 

 

<覆面座談会>

X「日本のマスメディアは、日本政府の広報メディアになってしまっているから、こういう記事はあまり報道しようとしない。逆に、国連の要請は福島を応援すべき時に風評被害を広めることになる、と日本政府に忖度する態度ばかり」
Y「放射線の被ばくリスクについてはほとんどの人が分からないから、福島に寄り添う、と言うほうが無難で善人側に見られるからだろう。安きに流れる人の性だ」
X「随分、ゴミメディアに優しいな」

  • 低線量でも放射線は危険、という知見が必要

X「放射線生物学(radiobiology)の引用(下記:著書)から簡単に説明しよう。空気中では、α線は数cm、β線は数十cm、γ線は数十m進む。危険なのは内部被ばくの場合である。人体を透過する時、細胞を構成する原子に衝突し、電子や原子核を吹き飛ばし電離することになる。飛ばされた粒子がまた他の原子を電離する。電離された原子を含む分子や化合物は瞬時に分解する」
Y「運悪く衝突された原子が遺伝子の一部だった場合は、遺伝子の破壊か損傷が起きる」
X「ただ遺伝子は細胞の体積全体からみれば、ごくわずかだから確率的には遺伝子の損傷等は少ない。人体の大部分は水分。放射線の多くは細胞内の水と衝突して電離が起き、非常に反応性の強いイオンや、水素と酸素の不安定な化合物が発生する。これにより細胞内に様々な悪影響が起き、細胞が破壊されたり、細胞の機能が損なわれたりする」
Y「だが体には修復機能がある」
X「そのとおり。放射線量が少ない場合は電離作用の影響は少なく、修復機能が高ければ放射線の悪影響は少なくて済む。ただ稀に放射線により細胞分裂に異常を引き起こす場合があり、その場合は癌になる可能性がある」
(著書名「プルトニウム」著者:核戦争防止国際医師会議+エネルギー・環境研究所。

核戦争防止国際医師会議は、核兵器廃絶を求める医師たちの世界的組織。政治的に不偏不党の組織として、冷戦さなかの1980年発足。核戦争の医学的影響に関する研究・教育活動が認められ、1985年にノーベル平和賞を受賞した。
現在、83か国、会員数約20万人。

福島第一原発事故について、日本政府が定めた20ミリシーベルトの基準は、子供の被ばく許容量として高すぎて有害であり、撤回するよう抗議書簡を送っている。2011.4.29。

(2019.1.8現在も環境省の避難指示の解除基準20ミリシーベルト/年以下となっている)

 

 

 

 

 

X「一般的に我々は自然放射線「バックグラウンド放射線」の中で生きている。ラドンや人工放射能(放射性降下物や医療用X線)の影響を除外すると、海抜ゼロmで1ミリシーベルト/年程度である。死亡原因の約20%は癌によるものと言われている。ほとんどの癌は放射能以外の原因でも発症するが、バックグラウンド放射線によるリスクも可能性として捨てきれないそうだ」
Y「低線量被ばくでも、癌リスクがあるということか」
X「そうだ。「この線量以下なら安全」といえる量はない、という内容の報告「BEIR-Ⅶ」を米国科学アカデミー(NAS:米国の最も権威ある学術機関の1つ)が発表している」
Y「プルトニウムは飲んでも大丈夫、とか言っていた原発推進派の御用学者がいたな」
X「東大大学院の中川准教授だろ。最近、膀胱癌を発症して青天の霹靂とショックを受けているようだ。溺れる犬を叩くのは不謹慎なのでやめておくが、プルトニウムを本当に飲んだのではないか?と疑いたくなる」

Y「故人だが、元駐タイ大使・岡崎久彦氏も低レベル放射能はむしろ体に良いという「ホルミシス効果」を喧伝していたぞ」
X「放射線を浴びることで細胞内に発生した有害な化合物を、人体機能が修復・解毒するために、代謝が活性化されることは確認されている。だがそれはあくまでも人体が防御するために働いたことであり、体に良いことではない。体に無用の負担をかけることである。長期に低レベル放射線を浴び続ければ、体に慢性疲労や頭痛、めまいや代謝機能の低下、癌化リスクも確率的に高まる。動物・植物・微生物由来の毒物の毒性と素粒子レベルの放射線の人体への悪影響は根本的に違うものだ。ましてや塩と放射線を同視対比させて説明する(下図①)レベルの東大の博士がここにもいることに、驚愕すると同時に日本の将来を心配するよ」

(低レベル放射線の被ばくリスクを軽視する故・岡崎元駐タイ大使。 MSN産経ニュース 2011.6.22)

 

 

 

 

 

 

  • ラドン温泉の効能も超人ハルクやラジウムコンドームと同じ。ラジウム伝説という迷信にすぎない

Y「ラドン温泉やラジウム温泉は体に良いという話を聞くが?」
X「まったくの迷信だ。温泉が体に良いことは分かっている。温泉効果である。ラドン温泉やラジウム温泉が温泉効果以上の有意な効能があるという根拠データを私は知らない」
Y「ではなぜこんな迷信が広がったのか?」
X「19世紀末、キュリー夫妻によりラジウムが発見された。この不思議な物質は、たった1gで1トンの冷水を沸騰させるエネルギーを秘めていることが判明した。しかもエネルギー保存則を無視したように、無限にエネルギーを発生し続けているようにみえる。そのため20世紀前半の1920年代、特にアメリカではラジウム伝説が生まれた。魔法の物質「ラジウム」を冠した製品が市場に溢れた。飲用水をラジウム鉱石を入れた水壺に一晩置いて作るラジウムウォーター用水壺は数十万個も売れた。他にもラジウム歯磨き粉、ラジウムビール、ラジウム煙草、ラジウムコンドームなど、ラジウム入りかどうかは別として、「ラジウム」と製品に付けるだけで飛ぶように売れたのだ。

(ラジウム煙草とラジウムコンドーム。 ディスカバリーCHの番組「エネルギー」から)

 

 

 

 

やがてラジウム・ガールズ事件(時計の文字盤にラジウム塗料を塗る作業に従事していた米・女工たちが悲惨な放射能障害を発症した事件)等から、次第に放射能の危険性が少しずつ知れ渡るようになった」
Y「少しずつ、ということは、一般的には放射能リスクは広く世間に知られることはなかったということ?」
X「そうだ。原爆が広島、長崎に投下された後の戦後、アメリカ、ソ連、イギリス、フランスなどの核大国は核開発競争に突入した。南太平洋、オーストラリアの砂漠、中央アジアの草原、ネバダ州の砂漠など世界各地で核実験が行われた。1960年代初頭には中国も核開発競争に加わった。その結果、世界中でフォールアウト(放射性降下物)のリスクが注目されるようなり、核実験禁止、核兵器廃止の気運が盛り上がってきた」

Y「核大国としては、核兵器は手放したくない。困った事態だ」
X「そこで核の独占と核アレルギーの緩和を目的に、核大国が共謀し、IAEA(国際原子力機関:国連傘下の機関)を設立。「核の平和利用」をスローガンにして、アイゼンハワー大統領が先導した。原子力機関車、原子力飛行機、原子力自動車など、原子力が開く輝く未来を宣伝し始めた。原子力をエネルギー源とする鉄腕アトム(1952年誕生)もそのころ誕生した。魔法のラジウム伝説を焼き直した、夢の原子力伝説の誕生だ」
Y「超人ハルク(1962年誕生)もそうだ。大量のガンマ線を浴びたために核兵器並みのパワーを持つ超人に変身してしまう」
X「大量の放射線を浴びた場合、例えば4シーベルトを全身に浴びると、むかつきや吐き気をもよおして、約50%の人は、数日から数週間で死亡だ。助かっても急性放射線症状や癌リスクで苦しむことになる」
Y「大量のγ線を浴びたら超人ではなく廃人になるので、良い子はマネしないように。映画「ダイ・ハード/ラスト・デイ」に出てくる放射能を中和するガス「化合物274」も信じないように」
X「プルトニウム入りのコーヒーを飲むことも避けたほうがいい」

  • 9.11関連の癌患者9795人! 男性乳癌患者数15人、癌死亡者数は約420人 

アメリカ同時多発テロから17年。2018年6月30日までに、9.11関連と考えられる癌に罹患している患者数が約1万人近くになるという、衝撃の発表をニューヨーク・ポスト紙が報じた。

同報記事のニューズウィーク誌(2018.9.18)では、男性乳癌患者15人のうちの5人はファースト・レスポンダー(災害時等、現場に最初に駆け付け救急対応する救助隊員、消防隊員、警察官らのこと)だった。51歳の男性乳癌患者の1人は、「9.11と関係している可能性が極めて強い。私の家系で癌になった人はこれまでいなかった」とショックを隠しきれない。「男性乳癌患者は女性に比べてはるかに珍しい。全米乳癌財団によれば、アメリカの乳癌患者のうち男性患者が占める割合は1%に満たないという」と同誌は伝えている。

ニューズウィーク誌もニューヨーク・ポスト紙も、高い癌罹患率の原因が、ビル崩壊により生じた有毒ダスト、つまりコンクリートの破砕粉、燃焼したジェット燃料、アスベストやベンゼンなどの化学物質などが混入した「有毒ダスト・カクテル」を吸引したためと推測している。

ニューヨーク・ポスト紙では、「ファースト・レスポンダーたちは、一般の人々に比べて、癌罹患率が最大で30%も高くなっていて、特に甲状腺癌や皮膚癌に罹患する率が高く、膀胱癌になるリスクも高い」と報じている。

(9.11関連の癌患者が約1万人に上ると報じた記事。 YAHOO!JAPANニュース 2018.9.11)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Y「驚くべき数字だな。しかも男性の乳癌患者数は異常だ」
Ⅹ「これはある程度予想されたことだ」
Y「どういうこと?」
X「別に自慢するわけではないが、4年前にこのことを予想するブログ記事を、他のブログ・サイトに投稿したことがある」
Y「どんな記事?」
X「内容を説明する前に、その記事をまず読んでくれ」

  • 9.11、マンハッタンの空を覆った放射能ダスト

X「以下の記事は2014年10月頃に投稿した記事。国民の反発の声が上がる中、その声を無視して、安倍政権が集団自衛権行使容認を必死に宣伝していた時である。集団自衛権行使に踏み切ると、アメリカ従属の日本は、イスラム・テロ組織から十字軍の犬として敵視され、日本もテロの対象となる。貧者の核兵器ダーティ・ボムの製造原料の調達源となる福島原発事故現場が狙われ、日本人テロ要員アキラとイスラム・テロ組織の連絡員イブラーヒムとが、東京で密談するというフィクション小説となっている」

<以下、フィクション小説>

(前略)

「派遣会社のリーダーは我々三人をタンク巡回の仕事に回してくれました。他にも1Fで働きたい者を紹介できるというと、ぜひ連れて来てくれと乗り気でした。それで休みをもらってここに来たのです」
「順調だな。帰ったら4人ほど連れて来ることができると言うのだ。身元チェックはすり抜けできそうか?」
「それは大丈夫です。1Fでは下請け、孫受け、そのまた下請けと底なしです。おまけに作業員不足は常態化していますし、東電は一次下請けに丸投げで、審査などノータッチです。身元審査なんか形だけです。暴力団のフロント企業らしき派遣会社もかなり入っているし、行政も黙認しています。我々の派遣会社のリーダーもそっちの筋の人間のようです。儲かれば何でもOKと言っていました」

(中略)

「汚染水タンクの爆破の準備はいつします?」
「それはまだいい。”汚い爆弾”製造に必要な放射性物質を十分入手してからだ。汚い爆弾を1つ日本国内で爆発させて、アフガンから自衛隊を撤退させるよう日本政府を脅す計画案もあるのだ。それでも日本が撤退させなければ、1F全体を巨大な汚い爆弾として爆発させれば要求を呑むだろう」

3-2:9.11のダーティ・ボム

アッラーの偉大な計画が順調に進んでいることを確認したイブラーヒムとアキラは、「アッラーフ・アクバル」(アッラーは偉大なり)と二人だけに聞こえる声で、キブラ(礼拝の方向)に向かい呟いた。
二人はゆっくりと腰掛け、残った酒や肴を楽しんだ。必要な打ち合わせと情報交換が終わったので、イブラーヒムが雑談を始めた。

「アメリシウムといえば、それを使った爆弾を試作したことがある。他のムスリムの戦士と一緒にアメリカに渡り、NYでセーフ・ハウス(隠れ家)にいた時だ。近くのウォルマートやホーム・デポから煙感知器を大量に買い込んできた。それを交代で分解し、アメリシウム241をかき集めた。残念ながら途中でFBIにセーフ・ハウスが急襲されるという連絡が入って、全てを置いて急いで逃げだす羽目になった」残念そうにイブラーヒムが語った。
「アメリカでは煙感知器に放射性物質がつかわれているのですか!」アキラが驚いた様子でいった。
「そうだ」イブラーヒムが答えた。

アキラはしばし沈黙した。なにかを考えているようだ。そしてゆっくりと確かめるようにいった。
「では9.11の時の世界貿易センタービルにも相当の数の煙感知器があったのでは?」

イブラーヒムがニヤッと笑った。どこか悪魔的な雰囲気があった。
「もちろんだ。NYでの我々の試作はまったくのムダではなかった。ホーム・デポなどを走り回り、買い集めた煙感知器を分解してAm241をかき集めるという手間を省いて、もっと単純な方法でアメリカにアメリシウムの霧を撒くことにした。よくできた話だろう。日本で放射能原料がこれほど簡単に手に入るようになるとは思いもよらなかった」

<以上、フィクション小説、終わり>

(煙感知器からアメリシウムを取り出すテロリストたち。ナショナルジオグラフィックCHの番組「汚い爆弾」から )

 

 

 

 

X「ニューヨークへご旅行する場合はご用心を」

  • 微量な放射性同位元素を利用した日用品

X「日本では、イオン化式煙感知器は産業用途で使われるが、家庭用途はほとんどない。イオン化式はコストパフォーマンスが高いので、アメリカでは家庭用にも多く使われているようだ」(円グラフ:世界における煙感知器の種類と用途)

Y「アメリシウム241は、プルトニウム241がβ崩壊して発生し、安価に手に入る。半減期は432.2年と長く、強力なα線(ヘリウム4の原子核)を放出する。α線は紙1枚でブロックできるが、体内に入ると危険だ。呼吸で吸引すると、肺の奥まで到達して肺胞に付着してしまうと、体外排出は難しく、そこでα線を放出し続ける。男性でも乳癌になる原因の可能性がある」

X「蛍光灯やその点灯管にも放射性同位元素は使われている。蛍光管にはアルゴンガスと一緒にクリプトン85が混入されている。プロメチウム147とニッケル63は放電管の電極線に使われている。ただし2003年以降の点灯管には使われていないようだ。これらはいずれもβ線(電子)を放出するが、β線はガラスやアルミでブロックできる。クリプトン85はガスだから、蛍光灯を捨てる時はガラス管が割れないように十分注意が必要だ」

Y「腕時計や置掛時計の夜光塗料には、蛍光体をβ線で励起して発光させるための放射性同位元素が使われている。以前は広くラジウム226が使われていたが、安全性を高めるため、世界的にはプロメチウム147やトリチウムが主流だ。しかし日本では、1998年以降は、放射性同位元素を使わないでも、一度光を吸収したら長時間発光する夜光塗料が使用されている。世界的にも放射性同位元素を使わない夜光塗料に変わりつつある」
夜光時計、蛍光灯点灯管、煙感知器など日用品への放射性同位元素の利用 (08-04-02-07))

X「だが、国民がいくら注意しても、放射能についてもサル以下の理解力しか持ち合わせていない安倍政権は、除染土をコンクリートに混ぜたり埋め立てに使ったりして、3年前から全国の公共事業で再利用している。

チェルノブイリでも、汚染牛の牛乳を、汚染されていない牛乳と混ぜて「薄めて」配給したという。放射能は混ぜても弱くなることはない。半減期が来て半分になる。
狭いところに置いていた地雷を、広い土地に拡散展開したからといって、地雷の威力が弱まったり、数が減ったりはしないのと同じだ。変わったのは、多くの人に地雷を踏む機会を広げただけである。

福島だけでなく、日本全国を汚染して、甲状腺癌や膀胱癌、その他の癌化率を平均化して、放射能の影響はなくなったと宣言する魂胆かもしれない」

(放射能汚染土を全国にバラ撒く、日本という名の異常な国。 日本経済新聞 2018.6.3)

NHKからまた受信料請求の電話。Aさんは拒否、公共放送でないから払わないと

2017.12.14公開記事

●予感どおりNHK寄りの最高裁の判決

2017年12月6日、朝のNHKニュースで、「今日の午後、受信料契約を拒む男性に対するNHKの提訴の最高裁判断が出ます」と放送。

朝食のトーストを食べながらTVを見ていた筆者はピーンときた。
「あ、NHK勝訴だな」
慎重で臆病で世論を気にするNHKが「全国の受信料不払い、受信契約拒否の皆さーん!今日の判決に注目してくださいよ」と大声で放送しているのだから結果はミエミエだ。安倍政権に多大の貢献をしているNHKである。既にその筋から事前に判決結果を知らされていたのだろう。気前のいい総理だから、貢献大なるNHKには佐川君と同等かそれ以上のとってもステキな結果がプレゼントされるのだろう、と苦笑した。

午後のニュースで予感が的中したことを確認。
分かりやすい世の中になったものだ。
今の日本のTV局の魂胆は全員整列して一斉にくだらない日馬富士事件の詳報を微に入り細に入り連日連夜タレ流すことだ。しかも漏れてくるハズのない聴取の中身まで出して、両者の言い分が真っ向から違ってきていると更に、この事件に油を注いで大火事にして国民の目を引き付けようと必死である。

森友問題で佐川・元理財局長が虚偽の答弁をしたことが明白になったことや、山口・準強姦事件が国会で取り上げられたり民事裁判で争われようとしていることをナゼ取り上げないのか。籠池夫人は劣悪な環境で不当な監禁をされていることをナゼとりあげないのか。昭恵夫人や加計氏になぜ突撃取材をしないのか。
国難から違う方向に誘導しようとするTVメディアも共犯であることを自覚すべきだ。

夜の報道ステーションで、このNHK勝訴の報道があり、木村草太教授と後藤謙次解説員が本質を突いた指摘をしていた。

 木村草太教授の指摘の主旨は
「契約の自由が制限されることが正当化されて、・・強制的にお金をとる以上は、NHKは本当に公共放送としての責任を果たしているのかが問われることになる

 ①(木村教授の指摘。 報道ステーション 2017.12.6)

 

 

 

 

 

 

後藤謙次解説員の指摘の主旨は
「裁判の勝訴結果を受けてNHKが発表したコメント「今後も公平負担の徹底に努める」は間違い。今回の裁判の争点は「公平負担」ではなく「中立公平な放送」です。なぜNHKが公共放送として民放と区別して設立されたか。戦前の国家による報道管制などの反省から出発して公平公正な公共放送が必要とされたから。特別優遇の受信料制度で安定した財政基盤を与えられたのはNHKが公共放送の義務を果たしている」ことが大前提

(同上①)

 

 

 

 

 

 

  • A氏がNHKとの裁判を準備。そこにコールセンターから集金に行きたいと。いつ来てもいいが払わないけど。

翌日、タイミング良く、A氏から電話。

A氏は3年半ほど前から(2014年4月から)NHK受信料を拒否している人物。友人の1人である。NHKが放送法を遵守せず違反しているので公共放送ではないと主張している。彼の話しやメモ・録音、彼が地元NHK営業部に出した質問書・苦情書、それに対応してNHKから来た回答書などを、筆者がまとめて当ブログに掲載していた。これまでに20回近い記事を掲載したが、今年前半のブログ整理の際に、彼の了解を得てほとんどを削除。

A氏「ご無沙汰です」
筆者「8月以来だね」

NHK勝訴のことを聞くと、A氏の方にもNHKから関連する動きがあったので、またブログ記事掲載をお願いしたいという用件だ。もちろん喜んでOKである。

10月中旬にNHKから受信料請求書がまたA氏宅に着信。文面にはこれまでとは違い「裁判所を通じた法的手続きを実施しています」と朱書大文字で書かれていたので、いよいよ裁判だなとA氏は準備を始めたそうだ。

(8月中旬にNHKからA氏宛に届いた受信料請求書)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

A氏はこれまでNHKの地方営業部や経営委員会事務局へ出した苦情・質問・意見書、そしてNHKからの回答書を分類整理したそうだ。

そして次の3つの主カテゴリーに絞って抗弁書と証拠をまとめたという。
1.放送法第1条第2・3項および第4条第2項の不遵守

NHKは不偏不党でない。放送番組が政治的公平でない。
1例:前川・元文科次官のインタビューを放送せず。

2.放送法第27条の不遵守
NHKは3年半におよぶ当方の苦情・意見に一度も「適切な回答」をしていない。
1例:前川・元文科次官のインタビューをなぜ放送しなかったか、理由説明を拒否した。

3.放送法第29条第1項の適合する号の不遵守
NHK経営委員会は会長等職員の職務執行について法令等適合努力を怠った。
1例:国会で問題になった岩田明子記者に対する不偏不党の遵守教育・指導を行ったか疑問。(回答拒否)

そしてまとめた資料をもって、同窓の女性弁護士に相談にいったそうだ。

筆者「K大の彼女か。高校の時から頭良かったからな。で?」
A氏「いい線じゃないかなあ、というお墨付きをもらった。そうこうしていると、請求書到着から半月後の11月初旬にNHKコールセンターの根*という人物から電話がきて、集金に行きたいがいつがいいかと?」
「なるほど。「裁判所を通じた法的手続き実施しています」の文句がそろそろ効いてきた頃と計った電話だね」
「多分。で、いつでもどうぞ、と答えたのです」
「ほう」
「それで、11月6日の午後1時ということになったのです。そして次に根*氏が、不払い合計額5万7千いくらを、分割にするか一括で払うかと聞いてきたので、払わないよ、というとハトが豆鉄砲を食らったかのような反応でしたよ。こっちが電話の意味を理解していないのかと思ったみたいでした」

A氏とコールセンターとのやりとりは録音されている。A氏から文字起こしを送ってもらったので、主要部分を一部抜粋してあるので後記ご参考に。

もちろん上記1、2、3は1例であり、他にもかなりの例証を用意しているそうだ。ただ最後にA氏が気になることを挙げた。

「・・それで、与党とNHKが完全に癒着した証拠をぶつけようと思っています」
「完全な証拠?!」
「そう、動かしようのないものです」
「・・んー気になるな。何それ?」
「それはちょっと今は公表できないのです。申し訳ない。本番で暴露するので」
「そーか。・・でもちょっとだけでも・・。ヒントぐらいはどうかな、ダメ?」
A氏、しばし沈黙。
「・・んー、ヒントねえ。・・そう、第1ヒントは籠池氏に関係するものです」
「なるほど。そして」
「第2ヒントは、巷間情報なので誰にでも入手できるものです。逆にいえばNHKは否定できないということです」

気になるけれど、A氏とNHKとの訴訟結果待ちです。

争点は「放送法を遵守しないNHKは公共放送の責任と義務を果たしておらず、公共放送番組を視聴するために受信料を払っている受信者を裏切るもので、契約違反である。
また、受信料支払者には放送法64条の遵守は「義務だ」と強制しておきながら、NHK側は都合の悪い放送法の条項を遵守しないのは法的に不平等であり不当である。
さらに「NHKを視聴したくない」という私の権利、自由意志を阻害してまで、強制的に放送法を遵守しないNHKを視聴しなければならないのか?そのような権利がNHKにあるのか?」のようです。
A氏ははっきりそう言っていませんが、筆者がこれまでA氏とやり取りした話や情報からそう思います。

A氏vsNHKコールセンター 録音文字起こし(主要部分抜粋)

「私、NHKの根*と申します。お世話になっております。A氏ご本人様でしょうか?」
「はい」
「本日、受信料のことでご連絡しております。今、お時間、少々よろしいでしょうか?」
「はい」
この後、上記の訪問日調整のやりとりがあり、A氏が、集金に来ても払わないけど、という件になる。

「・・今回、訪問集金のことなので、集金のことなんです。お支払いが難しいご状況ということですかね?」
「何度も何度も**支局の営業部の副部長さんに、ずーッと連絡しています」
「どのような内容の連絡でしょうか?」

「差し支えなければ、大きな(支払わない)理由を教えていただくことはできますでしょうか?」

A氏はこの後、籾井・前会長の放送法を無視した言動の件、前川・元文科次官の件を説明。
「前川さんのインタビュー、放送しなかったでしょう」
「・・・、そこは細かいことは、すぐに私、思いだせないのですけど」
「そういう放送法に違反しているからお支払いを止めているというお話しですか」

この後、A氏はNHKが放送法1条2・3項、27条、29条を守っていないことを、籾井・前会長や百田経営委員の名前を出して説明。
「例えば、上田・現会長は、当時(会長になる前)、監査委員だったですよね」
「はい」
「監査委員として虚偽の報告をしているし。これは放送法29条違反ですからね」
「・・(沈黙)。申し訳ございません。そうしましたら、そういうことで(受信料を)お止めいただいている、と、いう、こと、ですね」
「(受信料を)止めるではなくて、契約違反でしょう!」
「・・・(沈黙)」
「そちら(NHK)が放送法を守るということで、(受信料を払うと)やっているのに。それをやらないということは契約違反じゃないですか!」
「契約違反だということだからですか。申し訳ございません(消え入るような声で)」

そして早く切り上げようとして、
「(そう)あれば、私の方で伺った内容を記録に残しておきますから、大変申し訳ないですが、こういうお支払いのお願いとか、請求活動をお止めできることができないので、またこういうご連絡があればご理解いただきたいと思いますので・・・・・・・すいません。お時間いただいて申し訳ございませんでした」

以下、略。

 

 

簡単にできる!NHKが映らないTV だから受信料は払いません

2018.11.15公開記事

  • 合法的に受信契約を解約できる方法を発見

私の友人の友人に面白い人がいるという。話を聞いてみた。仮にTさんと呼ぶことにする。Tさんは最近NHKが大嫌いになったそうだ。そして見たくもないNHKに受信料を払うことに怒りを覚えるようになり、合法的に受信契約を解約できる方法を日夜研究したそうだ。

ある日、Tさんがネット検索で調べていたところ、あるサイトを発見した。そのサイトにはNHKの解約方法について多くの事例や方法が記載されていた。Tさんは読み進んでいるうちに素晴らしい方法を思いついた。すぐにその方法を実行しNHKに電話したという。

  • NHKに放送受信契約解約届の送付を要請

「はい、NHKふれあいセンターです」
「Tといいます。放送受信契約解約届を送ってほしいのですが」
「はい?・・あの理由をお伺いしてもよろしいですか?」
B-CASカードを裁断したので。くだらないTVはもう見たくもないから。ネットがあれば、ニュースも動画もパソコンとモニターがあればこと足りるので、TV放送は不要です」
「でもTVは故障していないですよね。お客様がB-CASカードを再購入されたら、受信機として再度使えますよね」
「TVを見たくないからカードを裁断したんですよ。本人がいらないと言っているカードをまた、買え!って言うの。ムリヤリ買わされてもまた裁断するよ。随分ブラックなカード押し売りセールスをするんだね、NHKさんは。
一応、断っておきますけどね。この電話、私の方も録音してますからね。お聞きしますが、NHKさんが解約を受付する条件は何ですか?」

不穏な空気を察した受付嬢は、「ちょっとお待ちください」といい、電話を保留にした。音楽が流れてきた。しばらくして、

「お待たせしました。先ほどの件ですが、NHKとしましては、<何らかの理由で受信機の設置がなくなった>ことになれば解約の審査を受け付けることになります」

「<何らかの理由>とは何ですか?」

「それは、いろいろございます。お客様が受信機を廃棄したとか、受信機が故障したとかです。そのことを証明するもの、例えば廃品回収にお出しになったならば、リサイクル証明書を送っていただくことになりますし、状況によってはご自宅に訪問させていただいて受信機の無いことを確認させていただくこともあります」

「それだけですか?ほかには?」

「それは、・・例えば受信機をお友達とかに譲渡するとか、いろいろあると思います」

「他には?」
「他には、・・まあいろいろなケースが考えられると思います」

<受信ができない環境になった場合>は? 例えばアンテナを撤去したとか、ケーブルを脱退したとかは?」
「それは解約になると思います」

「私の場合、B-CASカードを裁断してしまったので、現在<受信ができない環境>になっています。だから解約届をお願いします」
「B-CASカードを損壊した場合は、届出条項に該当しませんので、申し訳ないですが、解約届をお送りすることはできないかと思います」

「それはおかしいでしょう。アンテナやケーブルがない状態もカードがない状態も<受信できない状態>に変わりないでしょう。届出条項って何ですか?」

「放送受信契約解約届に解約時の条項があり、その条項に<B-CASカードの損壊>は該当しないのです」

「それは、NHKさんの一方的で不当な解釈ですよ。NHKさんの<日本放送協会放送受信規約>9条を逸脱する回答だと思います。同規約9条1項(4)号にはこうあるハズですよ。

<放送受信契約を要しないこととなった事由>、つまりB-CASカードの廃棄、紛失、損壊、不調等で<受信できない環境になった>ことは、この(4)号に該当すると私は判断しますけど。カード不良で受信できなくなった場合も解約できないの? それでもNHKは解約せず受信料は徴収し続けるワケ? なんなら裁判で決着させますか?」

「私の方では何ともお答えできません。後日ご回答するということでよろしいでしょうか?」
「構いませんけど。もう一度念押ししますけれど、現在のわたしの自宅はB-CASカードがないので、TV放送を受信できない状況です。ぜひ確認に来てください。それとNHKさんに告知した今日から受信料は払いませんので、承知しておいてください。それと何度も言いますが、この電話は録音していますので」
「お電話ありがとうございました。失礼いたします」

  • 受信できない環境になれば、放送受信契約の解約は自明の理

Tさんは解約届の用紙をあるサイトで事前に確認していたのだ。(下図A参照)

図A中のa.が<日本放送協会放送受信規約>の第9条1項(4)号の文言そのものである。そしてb. c.が、NHKが一方的に該当範囲を狭めて、アンテナ、ケーブルの撤去以外は解約に該当しないと強弁する根拠にしている条項である。

いくらなんでも、受信ができない環境であることを知った上で受信料を徴収するのは、品物やサービスを提供せずに代金だけを徴収するのと同じで、詐欺行為か強奪行為と変わらない。

(図A)

 

 

 

 

 

 

 

 

  • 受信できない環境になれば、すぐNHKに電話して確認に来てくれるよう要請。電話した時点で解約成立

パソコン用に中古TVを購入するとき、「B-CASカード欠品」の場合が多い。この場合、このTVは放送を受信できないので受信機ではなく、パソコン専用モニターである。TV放送はもういらないという人は、「B-CASカード欠品」の中古TVを購入するといい。この時、「B-CASカード欠品」と書かれた書類も一緒に受領しておくといい。

日本放送協会放送受信規約>9条2項にはこうある。

「2 NHKにおいて前項各号に掲げる事項に該当する事実を確認できたときは、放送受信契約は、前項の届け出があった日に解約されたものとする。ただし、放送受信契約者が非常災害により・・」

解約事由の告知を受けて確認に行かなければ、それはNHK側の確認義務違反であり、責任はNHKが負うべきである。

(日本放送協会放送受信規約 第9条1項及び2項)

 

 

 

 

 

 

上記の日本放送協会放送受信規約は、放送法64条を受けてNHKが作成した運用規約。しかし当規約の9条もNHKが有利になるよう、放送法64条を恣意的に該当範囲を狭めているとTさんは言う。

放送法64条では「受信設備」(下図参照)とあるのを、当規約では「受信機」(上図参照)と勝手に限定していると指摘している。
「受信設備」であるならば、受信機、アンテナ、ケーブル、当然B-CASカードも含まれる。
勝手に自身に有利な文言に変えてはいけないでしょう。NHKさん。Tさんの指摘に納得。

放送法 第64条1項