ワープする第一下僕トーマス(ダウントン・アビー)

:Warping the first servant,Thomas.(From Downton Abbey)

「社交界」第9話 シーズン4
(Episode 4.09 – 2013 Christmas Special)

20世紀初頭、イングランド北東部の大邸宅「ダウントン・アビー」に居を構える貴族グランサム伯爵一家とそこで働く使用人たちを中心に、激動の時代とともに衰退していく英国貴族社会の人間模様を描いた英国TVの大河ドラマ。昨年(2015年)シーズン6でファイナルシーズンを迎え放送を終了した。エミー賞、ゴールデン・グローブ賞など数々の賞を受賞した良質のドラマ・シリーズである。

魅力はたくさんあるが、筆者が特に感心したのはシナリオ・バランスの良さだ。登場人物が多いにもかかわらず、各話とも主要人物がバランス良く登場して各々が抱える問題や話題を織り込んでストーリーが進んでいく。ほかのTVドラマでは1話完結型が多いので、毎回多くの登場人物を出演させるとストーリーが発散して分かりにくくなってしまう危険がある。普通1プロットで1話完結が常道だが、中にはサブ・プロットを少しからませるストーリーもある。いずれにしてもドラマの見易さ、分かりやすさ、面白さはシナリオをどれだけ十分なほど練り込むかであろうと思う。その点ダウントン・アビーは毎回見応えがあり、面白いトリビアなど起きないだろうと思っていた。ところがである。なんとXメンやヒーローズに出てくるようなワープ能力を第一下僕トーマスが見せてくれた。

ト-マスは容姿端麗だが自己中心的で野心家。仲間である他の使用人を見下して人の足を引っ張ったり、陰口を吹き込んで広めたりする策謀家である。

第9話はローズ(伯爵の従妹の孫娘。事情があってダウントン・アビーで暮らしている)の社交界デビューを中心に様々なストーリーが展開する。伯爵一家と大半の使用人たちはローズに付き添ってロンドンのグランサム・ハウス(伯爵のロンドン別邸)に移動する。ダウントン・アビーにはブランソン(伯爵の亡き三女シビルの娘婿)とト-マスが留守番として残った。ダウントン(ドラマ設定ではヨークシャー)とロンドンでは300km以上離れている。

●ワープ場面はドラマの後半で起きた。ロンドンのグランサム・ハウスの使用人たちの食堂兼休憩室の場面で、執事のカーソンが伯爵夫人コーラの厚意で外出が許されてので一緒(使用人たち)にロンドン見物に出かけようと提案する。その話を聞きながら使用人たちが各自の席についたり食事の皿を準備したりしている。その横でワープしたトーマスが澄まして立っているのだ。カーソンが科学博物館やクリスタル・パレスなど自分の行きたい所を列挙し始めて皆があきれてしまう。カーソンが「王立科学研究所はどうかね」とトーマスに訊ねた。ダウントンからワープしたトーマスは黙って佇むだけ。カーソンがようやくその場の白けた空気に気がついて「まあ検討することにしよう」と部屋を出て行った。

その後すぐにトーマスはダウントン・アビーへワープ。トム・ブランソンの外出のお供をするためだ。トムの弱みを掴んだと慢心したトーマス。トムと並んで後部座席に乗りたいとほのめかす。無礼な態度のトーマスに、「私が伯爵だったら隣に座れるか」とトムは強い口調で言った。トーマスは渋々諦めた。

●The warping scene happened in the second half of the drama. At the scene of a cafeteria and a break room of servants of Grantham House in London, Carson of the butler proposed to go out for sightseeing to the people (servants) with the goodwill of the Countess Cora being allowed to go out. While listening to his proposal, the servants are on their own seats and preparing meals dishes. Thomas warped from Downton is standing calmly sideways. Because Carson enumerated the science museum and Crystal Palace etc where he wanted to go, everyone was dumbfounded. Carson asked Thomas, “How about the Royal Institute of Science ?”. Thomas only stood silent. Carson finally noticed the ruined mood of the room. He said, “I will consider it”, and went out of the room.

After soon Thomas warped to Downton Abbey. The reason is to accompany Tom Branson’s going out. Thomas was proud. He thought that he held Tom’s weak point. He hinted, “I wants to ride the back seat side by side with you”. Tom harshly told Thomas in a rude manner, ” If I am the Count Crawley, can you sit side by side ?”. Thomas reluctantly resigned.

なぜこんなトリビアがおきたのか。時系列ではなくランダムで撮影し後で編集してつなげたのだろう。普通ならトーマス役のロブ・ジェームス=コリアーが気づいているハズだ。「私はダウントン・アビーで留守番をしているので、ワープ能力を発揮しない限り、ここのグランサム・ハウスの場面には立ち会えないと思います」とユーモアを交えながら監督にクレームを出したことだろう(筆者の想像だが)。まあご愛嬌である。

 

投稿者: 多次元生命体R

私は"R"。スペースノイズから来た多次元生命体だ。時空連続生命体"Q"とDr.ストレンジとは友達だ。私の興味対象は無限にある。マーベルとDCコミックスにはワクワクさせられる. マリリン・モンローとスカーレット・ヨハンソンはキュートでセクシーだ。レイ・ブラッドベリとスティーヴン・キングは怪奇的で幻想的で詩的でもある。ゲームはだいたい好きだがトランプはそうではない. I am "R", the multidimensional life form coming from space noise. Space-time continuous life form "Q" and Dr. Strange are my friends. My interests are infinite. Marvel and DC comics are excited. Marilyn Monroe and Scarlett Johansson are pretty and sexy. Ray Bradbury and Stephen King are also strange, fantastic and poetic. I generally like games, but Trump not so.